第15話 オリンピックの社会的役割について。

 オリンピックが閉幕します。月並みな言葉で恐縮ですが、オリンピックの役割について、考えてみたいと思います。


 オリンピックは表面上は国家間の競争という形を採用していますが、その実、究極なことを言ってしまえば、人類愛の提唱、人様に勇気と感動を与えることが本懐にあるよう思います。


 だからというわけではありませんが、オリンピックに出場するまでの道のりというか、隠れた努力、怪我や挫折からのリベンジ、サクセスストーリーのようなもの、成功へと辿り着くまでの軌跡が個人的に求められます。


 スポーツを愛好する人、オリンピックの金メダリストが泥棒を本業とし、反社会的勢力を担う場合、どんなにスポーツの世界で名を馳せたところで、やはり一般大衆から支持されることはあり得ないのではないのかと思う。


 スポーツをたしなむ人、オリンピック選手は、多くは、慈善事業や社会貢献など、なにかしら社会に還元することをサブで行っていることが多い。


 若いうちは、企業の命令、コーチの指示、スポンサーを意識して行うものかもしれませんが、いつしかその意味の本質を理解し、魂として宿すように生まれ変わる。


 それはやはり、スポーツマンである前に、人としてどうあるべきか、いかに人格者として振る舞えるか、人の模範となりえるか、その点に指導者の心が代弁されているからです。


 私が知る限り、一流のスポーツマンで、人格が欠落している人を見たことがありません。


 たまに人生というハシゴから足を踏み外す人も少なからずいますが、それは成功を手につかんだ後、欲望や金の力に負けてしまった結果で、自分が弱いから、なるべくしてなったのかなあとも思う。


 何もないところから体1つで打ち込み、ひと角の人物に成り上がり、そして周りにちやほやされてしまった挙句、自分というものを見失ってしまう、オリンピック選手も確かにいる。


 これは平家物語よろしく、凡夫の世界ではよくあることで、本来の人間のあるべき姿、あり方、そのものを理解していないことからくる警鐘のようにも感じられる。


 その点、オリンピックは人様に勇気と感動を与える場所で、そこに言葉が不要なのがわかりやすくていい。


 わずか3分の勝負に、その人の生きざまが赤裸々に出るので、勝っても負けても誠に潔い。


 私はWEB作家ですが、やはり私が文章を紡ぐ意味、大義名分もまさにそこに集約されているような気がします。人様に夢や希望、愛を与えたいという思いが根底にあり、人を幸せに導きたいとの思いから、文章を紡いでいます。


 私は中学、高校の非常勤講師(教師)をした過去があり、教育の難しさ、人をやる気にさせることの難しさ、怒ることと叱ることが別モノであることを身をもって体験しました。


 生徒をダメだ、バカだと罵るのではなく、褒めて才能を伸ばすことが、どれだけ大事か、身をもって経験したつもりです。


 先生が生徒のやる気をそいでしまったり、腐らせてしまったり、体罰を繰り返す先生を見て、それは少し違うのではないかという思いを強くした。


 私は非常勤講師という立場で、当時若かったこともあり、先生の会合で意見を言えるような立場にはありませんでしたが、先生(指導者)の中にも、いい(熱い)指導者と、冷めた教育者がいるのを身をもって知りました。


 冷めた教育者のなかで、何かを暗中模索する生徒は大変です。

先生から得るものが、ちょっとしかないので、彼らは自分たちの手で何かを掴まなくてはいけません。


 まあ、反面教師という例もありますので、愛は藍より出でて藍より青しとなることも多々あるので、すべてが悪だと決めつける必要もないように思いますが、やはりそうなってしまうと最短距離で成功をつかむのは難しいかもしれません。


 話はそれましたが、羽生選手のスケートを観て涙したり、メドベージェワ選手、小平選手、カーリング娘、スピードスケートの高木姉妹に感動し、彼、彼女らから勇気や希望を分け与えてもらうことは、それは世の中にとって、とても意味のあることで、若者の人格形成のうえでも、社会全体の活性化につながる出来事だと思う。


 500メートル、スピード・スケートの小平選手は、これでようやく報われたかなと語っていましたが、そこまでに辿り着く、サクセスストーリーのようなものが、テレビを観ている観客にも十分伝わってくるのが、やはりオリンピックの醍醐味かなと思います。


 私も、ああいう風になりたい。有名になって、金メダルを取って、両親に楽をさせてあげたい。みなを喜ばせたい。


 最初は自分の優劣のためにスポーツを楽しんでいるだけかもしれませんが、それがやがて日本のためであったり、世界のためだったり、人様のためだったり、地域の活性化だったり、社会貢献の場へと発展することに、私は喜びを禁じ得ない。


 アスリートの皆様、今日で平昌オリンピックが閉幕しますが、お疲れさまでした。そして勇気と感動をありがとうございました。


 私も、もう少しだけ、頑張れそうな気がします。

 オリンピックって、素敵だなあって改めて思いますね。

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