題6回:15歳から16歳へ 15歳の総括前半:SM編

16歳になり先ず電話をかけたのが、某ウリセン店、

「16歳なんですが雇ってくれませんか?」


電話相手-「いや...それは無理だよ、店を覚えてたら、18歳になったらまた電話かけてきて」


当時の私は呑気なものでニール・セダカの「素敵な16歳」を歌いながら化粧なんかしてましたが....

今回は谷さんや他の方との話を通して15歳の、売春の、総括をします。



私はSかMかと言われるとMですが、それは今までどんな性的行為をしてもオルガズムを感じなかった事と関係している気がします

とにかく私は「少年を演じる売春婦」

から解放され、一個の物として、まるでオナホやダッチワイフのように扱われたいという願望が有りました。


それは今まで私が言ってきた、

「売春婦のセックスの商品化を許すな」

と矛盾していますが、むしろその事を考え続けてきたせいで、反動として「物として扱われたい」

マゾヒズムに目覚めたのかも知れません。


そんな時にメンミクでSM募集を見つけた当時の私は、さっそく連絡をとりました。



相手は顔写真を出しておらず、こっちだけ顔写真を晒しているという状況でしたが、

相手はSM用の手錠なり首輪なりギャグボールなりを持っていると言っていたので、まんまと信用した私は梅田でお会いする日時を決めましたが、今考えるとSM用の道具と言うのもどうも嘘くさい。


お会いする日まではS側とのエロ同人の調教モノみたいなメールでのやりとり、

夜中の公園で露出オナニー動画を送らされたり、電話で命令され乳首の...

あんまり書くと載せられ無くなるので辞めますが、いざ会うとなった時の事、

ホテルへ行く前にファミレスで食事しようと言う事になりました。


S側は「食事中目で犯してやるよ」とメールで送って来たのをよく覚えています。


実際にお会いするとS側の相手は太った小柄なおじさんでした。


いや、おじさんかどうかは年齢を聞いていないので分かりませんが、とにかく顔が...いかにもな顔と言えば伝わると思います。

別にその件に関して言えば文句は無いのです、SMの関係ですから相手がイケメンだろうとおっさんだろうとどっちでも良い。


ただ今思うと納得いくのは、先程「エロ同人の調教モノみたいなメールでのやりとり」

と書いた通り、「恐らくこの人は性経験が無いのではないか?」

という事です。

だからこそSMの発想が貧相で、どっかのエロ同人から借りてきたような発想しか出てこないのでは無いか?と。



食事中、私はやや緊張しながら、かと言って性的な緊張に繋がらない、単純に人見知り的な緊張をもって、

男から目を逸らしながら注文したパンを食べていました。


S側の男も言葉少なめで、まるでメールの段階でもう到達してしまったエロチシズムを持て余しているかのよう。


一体、この光景をどう説明すべきでしょうか?


メールというのは想像の範疇にしか過ぎません。

私の顔しか知らないという事や、メールでのやり取りが、現実性を排除し、

より観念的なポルノグラフィック、想像力内のエロチシズムを二人の間に作り出していた事は事実です。


「セックスと旅は似ている。ヤる前が一番楽しい」


だから、想像力を優先するといざ会った時によりエロチックになるとは考えにくいし、私とS男がファミレスでエロスを感じる事も無く、視姦もなく、

黙々と食事をしているのも、当然だと思われます。



では、これからラブホへ行く私とS男にとって、メールでのやり取りの想像力、エロチシズムを、現実で超えることは出来ないのでしょうか?


「おお、想像力よ、お前は犬であったのか!」


私達は結局ラブホへと到着しましたが、私は本音を言えばもうそういう気分では有りませんでした、

恐らく相手もそうだったのでしょう、

メールでSMのエロスが到達してしまって、もう後は落ちる他ない。


恐らく、売春というここから想像を掻き立てるようなものが有れば、SMでは無く普通のセックスなら出来たでしょうが....



そう言えば、ファミレスにしろ私とS男が現実に出会った時からラブホまで、なるべく喋ろうとしなかったのは何故でしょう?

憶測ですが、メールでのやり取りで頂点まで達した想像力のエロス、ポルノグラフィを、なんとか喋らないことによって維持していたのでは無いでしょうか?

まるで喋ると、「現実」がすきま風のようにやってきて想像を、二人のエロスをぶち壊してしまうと言わんばかりに。



現実の重い沈黙に耐えきれなかった私は、結局「お腹壊してて...」

だか適当な理由をつけ何もせずラブホを出ました。


初めにも書きましたが、正直ポコチンにしろアナルにしろセックスでオルガズムを感じた事が無い。

それを何かで埋め合わそうとした結果、SMを選び、結局失敗に終わったのです。


しかし売春をしていてチヤホヤされる事、求められる事、愛を分け与える事はあながち悪くはありません。

肉体的オルガズムを感じられなくても、売春によって精神的なオルガズムを得られれば良いじゃないか


だからこれを読んで下さっている皆さん、特にセックス中に肉体的快感を得られず天井の節穴を数えて...なんて方、

個人で売春、してみませんか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る