白雪姫〜お妃様と踊る人達〜
リーズン
第1話白雪姫〜お妃様と踊る人達〜
むかしむかし、とっても美しいけれど、心のみにくいお妃様がいました。
お妃様は魔法の鏡、ミラパッドを持っていて、いつもミラパッドにたずねます。
その鏡はいつも「鏡よ鏡よ、この世で一番美しいのは誰?」と、お妃様が聞くと……。
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高貴なワタクシ様のワタクシ様によるスレ12
1:高貴なワタクシ様
この世で一番美しいのは誰?
2:森の可愛い小人さん
キタ━(゜∀゜)━!
ワタクシ様のいつもの質問今日も戴きました!
やっぱり美しいと言えばお妃様だよね! (・∀・)b
3:森の男らしい小人だ!
>>>2 確かに……性格はアレだけど顔は良いwww
4:森の器用な小人
>>>3 禿げしく同意 (゜ー゜)(。_。)ウンウン
5:森のグルメな小人君
>>>4 それな!
6:森のオシャレな小人ちゃん
>>>5 それそれ
7:森の賢い小人様
>>>6 いや、どれだよ……
8:森の陽気な小人っス
とりあえずお妃様って事で……
9:真っ黒子
とりあえずじゃなくてお妃様! (_・ω・)_バァン…
10:隣国のイケメン様
>>>2 なるほど、お妃様はそんなに綺麗なのか……
人妻……嫌いじゃない! 嫌いじゃ無いぜ!
11:真っ黒子
ザワッ……。お妃様が狙われている!?
12:臭い飯食った猟師
>>>10 お巡りさんコイツです
13:森の可愛い小人さん
逃げろイケメン(笑)
14:隣国のイケメン
>>>13 ほとぼり冷めたらまた来るぜ!!
▼
と、同じくミラパッドを持っている人間の声を届けてくれます。
「ふむふむ。やはり妾が一番ね」
と、鏡に聞いては満足して過ごしていました。
しかし時が経ち、一人娘の白雪姫が十六歳の誕生日を迎えた日、お妃様はいつもの様にミラパッドに質問し、皆から「お妃様が一番美しいです」と、答えてくれるのを待ちました。
しかしミラパッドに映し出されたのは──。
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高貴なワタクシ様のワタクシ様によるスレ823
1:高貴なワタクシ様
この世で一番美しいのは誰?
2:森の可愛い小人さん
はい。ここ二、三年ずっとやってるワタクシ様のいつもの質問! 今日も戴きました!
はい皆拍手! ( ̄∇ ̄ノノパチパチ
3:真っ黒子
わぁー (*´꒳`ノノパチパチ
4:森の男らしい小人だ!
パチパチパチ
5:森の器用な小人
パチパチパチ
6:森のグルメな小人君
ペシペシペシ ( '-' )ノ)`-' )ペシベシ
7:森のオシャレな小人ちゃん
>>>6 叩かれた!? Σ(・ω・ノ)ノ
8:森の賢い小人様
>>>6 お巡りさんコイツです
9:森の陽気な小人っス
でも、ずっと同じ質問に答えてる僕達も暇人だよねー
10:全員
>>>9 それは言うなよ!
11:真っ黒子
それじゃあ今日も、いつもの様にあの答えお願いしますね。森の可愛い小人さん
12:森の可愛い小人さん
>>>11 甘い。甘いよ。真っ黒子!
いつまでも私が同じ事を言うといつから錯覚していた!
⊂(`・ω・´)⊃バッ
13:隣国のイケメン
>>>12 なん……だと……!?
14:森の器用な小人
ガタッ!
15:森のオシャレな小人ちゃん
ドンガラガッシャーン!
16:森の賢い小人様
慌てすぎ(笑)
じゃあ、誰なんだ森の可愛い小人さん
17:森の可愛い小人さん
>>>16 勿論、わ・た・し♡ (〃艸〃)
18:森の賢い小人様
>>>17 お巡りさんコイツです!
19:森の可愛い小人さん
>>>18 なんでだよ!? Σ(゜д゜;)
20:高貴なワタクシ様
>>>17 極刑で……
21:森の可愛い小人さん
思っていたより刑が重いよ!?
カタ:(◦ω◦):カタ
22:高貴なワタクシ様
>>>21 火で炙りながら、鉄靴履かせて、踊らせるぞ♪
23:森の可愛い小人さん
>>>22 それわたしに執行される刑じゃないよね! ∑(O_O;)
24:隣国のイケメン
で? 結局誰なんだ?
WAKWAK
25:森の可愛い小人さん
>>>24 そんなに気になる? 気になっちゃう? ( *´艸`)
26:森のオシャレな小人ちゃん
>>>25 ウザい……
27:森の可愛い小人さん
>>>26 その言葉は普通に傷付くの!?
(´TωT`)
28:隣国のイケメン
はよ! ( ノ・ω・)ノバンバン
29:森の可愛い小人さん
実はこの間お城にちょっと忍びこんだんだけど……
30:森の賢い小人様
お巡りさーん!
31:森の男らしい小人だ!
>>>29 事案発生!
32:森の可愛い小人さん
違うの! 違うの! ちょっと迷子になっただけなの。事故なの! ノットお巡りさん!
ヽ(´Д`;ヽ≡/;´Д`)/
33:隣国のイケメン
それで?
34:森の可愛い小人さん
ツッコミすら無しとか私への興味をもっと持てよ! Σ(゜д゜;)
いや……持たれても困るからまあいいや、それでその時たまたま中庭で見ちゃったんだよ!
35:森の陽気な小人っス
何を?
36:森の可愛い小人さん
お妃様の一人娘の白雪姫
もうね。マジで可愛かった!
肌白いし、黒髪は艶々ロングだし、唇やほっぺたは赤いし!
もうね。食べたくなったよ。性的に! \(//Д//)/
37:森の器用な小人
>>>36 お巡りさん捕まえて!
38:森の可愛い小人さん
>>>37 まってー。興奮しただけなの! 言葉のあやなの〜!
( ̄^ ̄゜)
39:森の賢い小人様
白雪姫が誘っています。
1諭す
2立ち去る
3襲う
40:森の可愛い小人さん
>>>39 3番! (_`・ω・)_バァン
41:森の賢い小人様
>>>40 お巡りさんコイツです
42:森の可愛い小人さん
なんて巧妙な誘導尋問!? カタ:(◦ω◦):カタ
43:隣国のイケメン
しかしそんなに可愛いのか……。
44:森の可愛い小人さん
>>>43 マジでわたしに興味ねぇなぁ!
うん。スゲー可愛かった!
将来性含めて現時点でも、白雪姫はお妃様の千倍美しいね
お妃様はほら、もうきっとあと数年で胸とかも垂れちゃうよきっと(笑)
45:森の男らしい小人だ!
>>>44 こいつヒデェwww
46:真っ黒子
そんな子よりもお妃様の方が綺麗に決まってるでしょ!
森の可愛い小人さん失礼です!
۹(◦`H´◦)۶プンスカ!
・
・
・
▼
その答えを見たお妃様は怒り狂います。
「なによ! ちょっと若くて可愛くて、最近成長してきて年頃の色気も出始めて、お義母様♪ なんて可愛く言っては抱き着いて来る。肌は白いくて、髪は黒檀の様に艶やかな黒髪で、唇も頬も血の様に赤い、透明感のある子だからって!」
実は白雪姫の事が大好きなのでは無いか。と、思う様な事を口走りながら、それでも美しく育つ白雪姫に嫉妬を隠せません。
お妃様は白雪姫の二度目のお母さんです。
そして遂にその嫉妬心は、お妃様にある計画を思い付かせてしまいます。
「そうだわ。白雪姫さえ居なくなれば妾が一番美しくなれる。そうね。この間雇った猟師を使いましょう。そして、白雪姫の肝臓を取ってこさせ、それを食し白雪姫の美しさも手に入れましょう。
それと……森の可愛い小人も殺す。あれだけは絶対に見つけ出す。何がなんでも見付けて八つ裂きにする」
未だに続く、森の可愛い小人さんの白雪姫に対する称賛の言葉と、お妃様への批判の言葉。
そしてそれに対する、真っ黒子のお妃様賛美を眺めながら、真っ黒子も特定して可愛がろうかしら? などと考えながら計画を練りました。
「まったく、最近は城の備蓄を盗む不届き者や、他国の間者も居そうで困っていると言うのに、さっさと片付けて犯人を探さないと、それにしてもどうやって妾特製の魔法で作った城のトラップを突破しているのかしら?」
こうして、お妃様は白雪姫と、ついでに森の可愛い小人さんを殺す為の準備を整え始めました。
──数日が経ち。全ての準備を整えたお妃様は、猟師に白雪姫を殺して、その肝臓を持って来るように命じます。
「あ、あの……、本当に娘殺すだか? 確かにお妃様には、許可無く人狼狩ろうとして、仕事無くなった所を雇って貰った恩があるだが……」
「ええ、そうよ。でも、安心なさい。白雪姫を殺した所で貴方の事は罰さないから。それとも……また路頭に迷いたいのかしら?」
そうお妃様に言われてしまっては猟師に否とは言えません。
渋々お妃様の言う事を聞き、白雪姫を殺す為に共に森に向かい、手に持つ猟銃をグッと握ります。
でも、一度人狼狩りに失敗し、心を入れ替えた猟師は、白雪姫に全てを話し、森の中に隠れるよう白雪姫に言いました。
「お妃様にはイノシシの肝臓を持って行って、上手く誤魔化すから、上手い事逃げ延びてけれ」
「猟師さん。ありがとうございます」
こうして白雪姫を森に逃がした猟師は、お妃様に白雪姫を殺したと嘘をついて、イノシシの肝臓を渡したのです。
一方白雪姫は、山を越え森を歩き回り、一件の小屋を見付け身を隠す事にしました。
そこには、誰かが住んでいるのか家具があり、テーブルの上には美味しそうなスープまでありました。
一晩中森を歩き回った白雪姫はお腹を空かせ、テーブルの上に用意してあった、七つのスープを全て食べ、近くにあったベットで疲れを癒す様に寝てしまいます。
「ふわっ!? わたしのスープが無くなってるぅー」
「俺のもねぇ!」
「ボクのも無くなってる……」
「きょ、今日のスープは自信作だったのにぃ」
「フフフ、誰が私のスープ飲んだのかしら?」
「ふむ。まだ食べられたばかりのようだね」
「どうでも良いからなんか食べたーい!」
そんな騒ぎに目を覚ました白雪姫が身体を起こすと、なんと七人もの小人と目が合いました。
「お前か! 俺達のスープを飲んだのは!」
と、青い帽子に青い洋服を着た、男らしいマッチョな男の小人が叫びました。
「……だ、誰、ですか?」
と、赤い洋服を着た、可愛らしい顔の女の小人が、桃色の洋服の子の後ろに隠れながら、白雪姫に尋ねました。
「アオ、落ち着いて」
と、少し煤けた茶色い洋服を着て、ゴーグルとグローブを着けた科学者風の女の小人が、白雪姫に今にも飛び掛りそうな、青い洋服の小人を抑えながら言いました。
「よくも俺達のスープを……とりあえず美味かったか教えろぉ!」
と、白いコック帽に白い洋服を着て、エプロンを着けた料理人風の男の小人が、白雪姫に味の感想を聞きました。
「あらあら、私のスープを飲んだのは貴女なのね?」
と、桃色の洋服を着て、化粧をバッチリと決め、妙にクネクネしたオネェさんな小人が、妙な迫力で言いました。
「口元にスープの跡、間違いないね」
と、緑の洋服を着て眼鏡を掛けた、知的な雰囲気の男の小人が言いました。
「お腹……すい……た……」
と、黒の洋服を着た、少年の様な雰囲気をした男の小人が、お腹を抑えて倒れながら言いました。
「「「「「「「で、どうなの?」」」」」」」
全員が声を揃えて白雪姫に尋ねます。
「とりあえず……、小人でマッチョとオネェはちょっと気持ち悪いです」
「「「「「「「それ最初に言う事!?」」」」」」」
▼
「──なるほど、事情は分かった」
白雪姫は、自分が姫である事を隠して、母親に殺されそうになり、猟師に助けられた事、そして行く宛てが無いので、この家に置いて欲しいと言う事だけ話すと、マッチョの小人が代表してそう答えてくれました。
「それで……、貴女の名前はなんて言うの」
オネェさんな小人が白雪姫にそう聞くと咄嗟に「し、シラーです?」と、答えました。
すると小人達は、全員で白雪姫から離れ円陣を組みます。
(おい、どうする? あの子、あれで騙せてるつもりだぞ)
(もぅ。ちょっと可愛いじゃない。オネェさんキュンとしちゃった)
(えっ、騙すとか何の事? それよりあの子、白雪姫にそっくりでチョー可愛いね!)
唯一可愛らしい顔の小人だけが、白雪姫の言葉を真に受け、興奮気味に話すのを見て、全員がマジかよ……。と、思いましたが、無視して会話を進める事にしました。
(ボクは良いと思うよ。あの子いい子そうだし、色々と作る時、手伝いが欲しいと思ってたんだ)
(そうだねぇ。そろそろ料理の助手も欲しかったんだよね)
(確かに。お妃様と敵対する気は無いけど、この国の王族に恩を売れるのはメリットが大きいね。それに心を許せば色々と教えて貰えるだろうし……)
(お腹空いた〜)
(((((お前そればっかな!)))))
(今作って来るから待っててぇ)
(まっ、なにはともあれ、白雪姫をここに置くにしても、問題はあいつだな)
そう言って全員が可愛らしい顔の小人を見詰めます。
(えっ? なになに。いくらわたしが可愛いからって、いい加減付き合い長いんだしそろそろ見慣れろよー。もう)
(黙れコミュ障)
(な、何言ってんのアオ! わたしのどこがコミュ障なんだよー)
(じゃあちょっと白雪……シラーと話して来いよ)
(ふ、フンっ、いいさ、わたしのコミュ力を思い知るがいい)
可愛らしい顔の小人は、一人輪の中から抜け出して白雪姫の前にやってきます。
そして──。
「あ、あの……、わ、わたし、その、えっと、アカって言います」
「えっ? あ、はい。私はシラーです。よろしくお願いいたします」
突然の自己紹介に、白雪姫も咄嗟に自己紹介を返します。
するとアカと名乗った小人は、ミラパッドを白雪姫に渡して、タタっと小人達の所へ戻って行きました。
(ど、どうだこんちくしょう! わたしのコミュ力を見たか!)
(((((どうでも良いから涙拭けよ!)))))
人見知りの激しいアカは、挨拶だけで顔を真っ赤にして、涙目でプルブル震えながら、胸を張って強がりました。
(まあ、お前が良いなら良いか)
(そうね。後でミラパッドでも良いから、ちゃんと自己紹介しなさいよ)
(うぐっ……。はい)
(では、とりあえずは白雪……シラーをこの家に置くと言う事で良いね?)
知的な雰囲気の小人がそうまとめると、全員が頷いて賛成します。
こうして、白雪姫は無事、家事や手伝いをすると言う条件で、小人達の家に住まわせて貰える事になりました。
▼
アカ&シラーのメール
アカ
シラーさっきはあんまり喋れなくてごめんねm(*_ _)m
シラーが可愛いから緊張しちゃって。
(・ω<) テヘペロ
これからは一緒に暮らす訳だし仲良くしよー。
と、言う訳でこれからはヨロ(`・ω・´)スク!
シラー
ミラパッドとメールありがとうございます。
私よりもアカさんの方が可愛いですよ。
こちらこそよろしくお願いします。
▼
七人の小人達と暮らす様になった白雪姫は、小人達がどこかに働きに行っている間、掃除や洗濯や針仕事をしたり、ごはんを作ったりして毎日を楽しく過ごしました。
生活に馴れた白雪姫は小人達ともすっかり仲良くなりました。
赤い服を着た可愛らしい顔の小人のアカは、とても人見知りで恥ずかしがり屋、でも、直接顔を合わさなければとても明るく楽しい女の子です。
白雪姫とも仲良くなった今は普通に話せる様になりました。
青い服を着た男らしい小人のアオは、とても頼りになる力持ちです。筋トレが趣味で、仕事を終えて暇があるといつも身体を鍛えています。
茶色い服を着た手先の器用なチャチャは、いつも機械を弄っていて、白雪姫が機械について聞くととても嬉しそうに語ってくれます。
白い洋服を着た料理担当のシロは、食事にいつも拘っていて、常に新しい調味料や食材を探し求めて出掛けてます。
時々、アオと出掛けてはイノシシや、クマなども狩って料理してくれます。
桃色の服を着たモモオネェさんは、とてもオシャレで、白雪姫やアカ、チャチャを見る度に、自分で作った洋服を着せて満足そうに頷きます。
おかげで白雪姫の私服は、城に居た時よりも多くなりました。
緑の服を着たミドリは、とても頭が良く、いつも皆の相談に乗っています。しかし、何故か皆からはメガネと呼ばれていて、最初は白雪姫を警戒していました。
ですが、白雪姫が名前で呼ぶと「君は良い奴だ」と、瞳を潤ませて、それからは良くしてくれます。
黒いの服を着たクロは、いつもお腹を空かせていて、仕事と食事の時以外は白雪姫どころか、小人達も何をしているか分からないそうです。
それでもいつもニコニコしていて、皆を和ませてくれます。
そんな小人達との生活にも慣れて来た白雪姫。
しかし、そんな小人達はいつも決まって全員で出掛ける時に必ず。
「シラー。わたしたちが仕事に行っている間、誰も家に入れちゃ駄目だよ。怖い母親に、ここが知られてしまうかもしれないから」
と、小人達はいつも言うのでした。
▼
小人ちゃんの雑談スレ972
1:森の可愛い小人さん
(」^o^)」聞いて〜!
2:真っ黒子
>>>1 なんですか?
3:隣国のイケメン
>>>1 どうした? ガタッ
4:臭い飯食った猟師
>>>1 なんだなんだ? ガタガタッ
5:森の男らしい小人だ!
>>>1 事件か!? ドンガラガッシャーン
6:森の可愛い小人さん
>>>5 慌てすぎ(笑)
7:森の賢い小人様
それでどうしたの?
8:森の可愛い小人さん
実はさー。最近、可愛い子が家に居候して毎日チョー楽しいんだよね!
\( ˙꒳˙ \三/ ˙꒳˙)/
9:森のオシャレな小人ちゃん
>>>8 と、いう夢を見たのね……
10:森の可愛い小人さん
>>>9 うん。そうなんだ。一人寂しいからつい妄想に耽って……って! 違うから本当に居るから! (_・ω・)_バァン…
11:森の器用な小人
>>>10 そう……だね。うん。もちろん信じてる……よ?
12:森の可愛い小人さん
>>>11 絶対信じてねぇーよな!? Σ(゜д゜;)
居るよ! 本当に居るんだからね! 肌は白くて、黒髪は艶々ロングで、唇やほっぺたは赤くて可愛い子が!
13:高貴なワタクシ様
>>>12 ……ほう。興味深いな。
14:森の可愛い小人さん
>>>13 高貴なワタクシ様……。高貴なワタクシ様だけだよ。わたしの言葉信じてくれるの! (┯_┯)
15:隣国のイケメン
>>>14 俺も信じる俺も信じる。で、どこに行けば出会いセッティングしてくれるの?
16:森の可愛い小人さん
>>>15 言わねぇよバーカ! 言ったら家バレすんじゃん!?
( ๑º言º)
17:隣国のイケメン
チッ!
18:森の可愛い小人さん
>>>17 舌打ち!? Σ(゜д゜;)
19:高貴なワタクシ様
それで? 本当にそんな、肌が白くて、黒髪は艶々ロング、唇やほっぺたは赤くて、可愛い子が居るの?
20:森の可愛い小人さん
>>>19 うん。そう! 羨ましい? ねぇ、羨ましい?
(*´ 艸`)
21:高貴なワタクシ様
>>>20 ええ、とても羨ましいわ。本当に……
▼
小人達のグループメール
ミドリ
ねえアカ。なんで怒られるか分かるよね?
アカ
わ、わたし聞いてないもん(-ω-´ )ぷい
チャチャ
だからってなんでシラーの事、言っちゃうかなぁ。自分であれだけシラーには言ってるのに……
アカ
うぐっ。で、でもさ。シラーのお母さんが、あんなスレ見てるとは限らないじゃん? 大丈夫大丈夫( ̄▽ ̄;)
全員
なんか全力でフラグ立てて来た!?
アカ
失礼な!? フラグじゃないもん! 大丈夫だもん! わたしが大丈夫と言えば絶対平気だもん! Σ(゜д゜;)
全員
もう不安しか無い!
アカ
くっそうぉー! _| ̄|●
▼
ところがある日
「……あの猟師。どうも様子がおかしいと思ったらやっぱり裏切っていたね。もはや誰も信用出来ない。自分で動かないといけないようね」
自分で白雪姫を殺そうと考えたお妃様は、趣味で買い取ったリンゴ農園から、リンゴを取ると魔法で毒リンゴへと作り替えます。
そして物売りのおばあさんに化けると、毒リンゴを手にミラパッドで調べた小人の家へ七つの山を越えて行きました。
「ふふっ、ここね」
山を超え、ようやく小人の家へ辿り着いたお妃様は窓を叩いて言いました。
「美しい娘さんに、おくり物だよ」
「まあ、何てきれいなリンゴ。おばあさん、ありがとう」
けれど、そのリンゴを一口かじるなり白雪姫はバタリと倒れて、二度と目を開きませんでした。
「ふふっ、邪魔者は居なくなったわ。これでこの世で一番美しいのは妾よ!」
▼
「ただいまー。シラー、愛しのアカちゃんが帰ってきたよー。シラー?」
仕事から帰ってきた小人たちは、いつもの様に夕飯を作って待っているはずの白雪姫を探します。
けれどもその白雪姫はベッドに横たわり眠る様に死んでいました。
「う……そ……。傷も何も無いのになんで……」
「どうやらこのリンゴに魔法が掛けられていて、それを食べさせられたみたいだね。仮死状態に近いのかも?」
白雪姫の周りを調べていたクロが、落ちていたリンゴを手に取りそう結論づけます。
「じゃあ、リンゴをどうにかすれば!」
「可能性はあるけど難しいね」
「そんな……」
白雪姫が死んだ事を知った小人たちは悲しみ、せめて美しい白雪姫がいつでも見られる様にと、ガラスのひつぎの中に白雪姫を寝かせて森の中に置きました。
そしてある日、一人の王子が森で何かを探す様に歩いていました。
「うーむ。ミラパッドの情報だとこの辺りの山の筈なんだけどなー? 待っててね。黒髪ロングの可愛い子! って、アレなんだ? ガラスの箱?」
それは小人が白雪姫の為に作った棺でした。
「この子が可愛い小人が言ってた……。おおっ、信じて見に来て良かった! 何てきれいな姫なんだ。まるで眠っているようだ」
王子は思わず、ひつぎの中の白雪姫にキスをしました。
「やべぇ。可愛い。ってか、意外に重いな。っとと!!」
白雪姫を抱えキスをした王子は、力の入っていない白雪姫の重さに耐えかね、思わずその身体を落としてしまいます。
すると落としたはずみで、毒リンゴのかけらが白雪姫ののどから飛び出したのです。
そして、目を開けた白雪姫は
「私はどこにいるのかしら?」
と、王子に尋ね。
「ずっと、わたしと一緒にいるのですよ。姫」
と、王子は冷や汗を掻きながらイケメン感満載でごまかす様に白雪姫の手を取り言いました。
こうして王子と結婚した白雪姫は、ずっと幸せに暮らしました。
・
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「って、普通はこうなるのでは無いのかしら?」
城の自室、ベットの上で上半身を起こして座って居るお妃様は、少し呆れた顔でベットの横に居る人物にたずねます。
「そんな訳無いじゃ無いですかお義母様。私……いくら好みだからと死体にキスする人間と結婚なんてしたくありませんよ。お義母様は違うんですか?」
「それは……妾も嫌ね。いくら玉の輿でもそこまで特殊な趣味は無理だわ」
「ですよねー」
「でも物語としてはどうなのって感じね?」
「現実は残酷ですからね。めでたしめでたしの後もネクロフィリアと暮らせませんよ」
「なんか納得いかないのは、妾の考えが古いのかしらね」
「まあまあ、最近の赤ずきんはオオカミを退治するどころか、結婚しようとする時代ですからね」
「それこそ本当にどうなの!? え? それよりも本当に、あのオオカミを滅ぼす事に一生涯かけてる一族からそんなの出たの!? そしてなんで貴女知ってるの?」
「友達なので」
スチャッと、ミラパッドを取り出してみせた白雪姫。
「この間も結婚首輪を可愛いのにするか、トゲ付きのカッコイイのにするかと相談されました」
「……なんなのその会話。で、なんて答えたの?」
「ハーネスの方が好みかも知れないと話したら、血が足らなくなって来たって返信が来ました」
「ああ、もういいわ」
話にゲンナリしたお妃様は、白雪姫に疑問に思っていた事を尋ねます。
「それで白雪姫。貴女はここで何をしているのかしら?」
「何って……身体の不自由なお義母様のお世話ですが? はい、リンゴ剥けましたよ。あーん」
意外にもキレイなウサギさんに剥かれたリンゴを差し出しほほえむ白雪姫。
そんな白雪姫を胡乱な顔で見詰めたお妃様は溜息を吐き
「それは分かるわ。妾が聞いているのは、なんで貴女を殺そうとした妾を貴女が看病しているのかよ」
「それはもちろん。大好きなお義母様の為です」
「その割にはやる事やるのね」
お妃様は包帯が巻かれた痛々しい足をチラリと見て、白雪姫に文句を吐きます。
「それはそうですよ。お義母様を守る為ですからね。今回のお義母様の計画を利用して、失墜させようとしていた勢力も片付けましたし、対外的にもここまでの事をして何もしない訳にはいかなかったんですよ」
白雪姫の言う事はもっともでした。
お妃様も白雪姫の暗殺に失敗すればどうなるか。それを覚悟の上でやっていたからです。
ですが、だからこそ、何故白雪姫がこの程度でお妃様を助け、庇っているのかが分からなかったのです。
「それは分かるけど……鉄靴履かせて鉄板の上で炙るのはやりすぎでは無いかしら」
「最初にジェルも塗っていましたし、刑の見た目が派手だった割には怪我はしていないはずですよね? 」
白雪姫の言う通り、お妃様は刑が執行される前に、大怪我を負わないよう色々な準備をさせられ刑に臨んでいました。
「そんな事よりもお義母様。このリンゴ本当にお義母様が作ったんですか。今まで食べた事無いくらい美味しんですが……」
見れば白雪姫は、お妃様に差し出したウサギさん以外全て平らげて、頬袋をリスの様に膨らませていました。
「そんな事って……ええそう、妾が作ったのよ。まあ、美味しいの作りたかったから魔法で品種改良したけど」
「……お義母様。魔法をそんな事に」
「しょ、しょうがないでしょ。リンゴ好きなのよ! って、いきなり顔抑えてどうしたのよ」
「い、いえ。気になさらないでください。それよりもこのリンゴをうちの特産にしましょう」
「そんな簡単に出来るものなの? 妾は商売の事はわからないわよ」
「販路から何からは私が用意します。お義母様はこの美味しいリンゴを作って頂ければ問題ありません。なんなら農園も拡大しますか?」
「貴女……そんな勝手に決めて大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ。もう掃除は済みましたから」
「まあいいわ。妾は本当にリンゴを作る以外はやらないわよ」
「ええ、このリンゴを残しつつ、お義母様が食べたいリンゴをどんどん品種改良して、種類を増やして頂ければそれでいいです」
「それならいいわ」
「フフッ。お義母様との共同事業楽しみにしてます。ではお義母様はゆっくりと休んで下さい。怪我が治ってからは忙しいですよ」
「ええ、そうさせて貰うわ」
こうして白雪姫は、お妃様の作ったリンゴを特産品として売り出し大成功し、大好きなお妃様と二人力を合わせて仲良く暮らしましたとさ。
めでたしめでたし?
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