日常にささやかな魔法を

桜田蓮夜

第1話 私が魔法に憧れるまで

祈里いのり、じゃあね」

「うん、また明日」


 変わりない毎日がまた続いていく。明日も、そのまた明日も……

魔法なんてものが、この世にあったらなぁ。

そんなことを四六時中考えていた。


 昔見たアニメが魔法に憧れを持った発端だ。


それは美しかった。

ドレスのような衣装に付いているフリルをはためかせながら戦う姿が。

氷を駆使し、あたり一面を白く染める様が。


 そんなタラレバ話に想いを馳せながら歩いていると、

足裏に餅のような感触が。


(ガムでも踏んだかな)


想いに耽っていた自分を反省しながら足裏を見ると

白黒の新種の鼠とでもいうべき生物がくっついていた。












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