伝説の剣を求めて
さて。大体のゲーム、特に和製RPGには最強の装備と言うのがある。
デモクエには勇者、と言うより主人公にはほぼ間違いなく存在する。
それが勇者の剣である。
今回の舞台はアスガルド、つまりデモクエ3だ。
デモクエ3のマイアの村でその勇者の剣は手に入る。
手に入れるにはどうするか。
村の外れの岩に刺さっている?NOだ。
この村に古くから伝わる伝承に謎が隠されている?
NOだ。
近くの森に顔に大きなバッテン傷のある魔界の名工が住んでいて頼み込んで作って貰う?
ちょっと惜しいがNOだ。
答えは、この村の武器屋で剣の素材を売ると、翌日から店先で売りに出されるのでそれを買う、だ。
そう!デモクエ3では最強の剣は店で買うのだ!!
ちなみにお値段3万5000ゴルドだ。
何故か他のシリーズとは違い、特殊なイベントで貰ったり、ダンジョンで手に入れたりする訳でもなく
普通に買える。
素材集めと合わせて一応ヒントは貰えるが、案外初見では分からずに攻略本を立ち読みした諸兄も多いのではないだろうか?
え?ネットで調べる?
1988年にはそんなもんなかったな。
ゴン!ゴン!グシャッ!メキメキメキメキ!
「ふむ。なるほど。シュウ殿は武器を探しに旅をしていると言う訳か?」
「まぁな。大魔王を倒して地上に戻ると言うのが最終目標なんだが·····。取り敢えず武具を新調したいんだ。ここの武具屋は腕が良いと聞いている。」
メキメキメキメキっ!バキッ!ガン!ガキィン!
「あぁ。確かどこぞより流れ着いた外国の者らしいな。確かに皆、腕が良いと褒めておった。·····シトリー!そろそろ手伝おうかー!?」
少し離れたシトリーにオルテガスが声を掛けるが、ふるふると首を振るシトリー。
「·····なぁ。手伝うと言うか·····さぁ。」
「言ってはならん。シトリーは精一杯やっているんだ。」
「·····そもそも何してるんだ?」
「·····さぁ?」
村に着くなり後は自分でやると言い出し、村の広場で大木をハンマーで殴って破壊しているシトリー。
何だろう?突然破壊神の本能にでも目覚めたのか?
「あら、シトリーちゃん!精が出るわね!木材の切り出しかしら?」
突然、俺達の後ろから誰かの声が掛けられた。
この村での知り合いだろうか?
見た感じ、20代後半から30代前半くらいのお姉さんだ。少し赤毛混じりの金髪を真っ赤なスカーフで纏めているのが印象的だ。
「そう。宿屋のおばあちゃんに椅子を作る。」
「良い考えね!あぁ、だから木を切って乾燥させるつもりなのね!」
「そう。生木では家具を作れないとこの前教わった。ここで小さくして放置。正解?」
「うーん。そうね。正しいわ!ハンマーじゃなしにノコギリですれば完璧ね!」
「なるほど。でも刃物は危ない。」
その身の丈を超えるハンマーの方が危なくない!?
何ならそんな獲物を片手で振り回す
「ならん!言うてはならんぞ!シュウ殿!シトリーも頑張っておるのだ!」
「アンタさては親バカだな!?」
オルテガスとわちゃわちゃやっていると、お姉さんが声を掛けてきた。
「あら。見ない顔ね。オルテガスさんのお友達?」
「あー。まぁそんな所だ。シュウと言う。」
「そう。私はベロニア。そこで武器屋をやってるんだ。良かったら寄って行ってね!」
ベロニア!?
デモクエ11のロリ姉·····いや、デモクエ9の錬金術師の方か!
「·····あんた、もしかして錬金術師ヘルメス・メギトスの身内じゃないか?」
「·····おじいちゃんを知ってるの!?」
やはりか!
デモクエでは何人かベロニアと言う名前のキャラがいる。
1番有名なのは最新作であるデモクエ11に出てくる魔法使いと僧侶の姉妹の姉だろう。
後半のストーリーではベロニアを生き返らせるのも主目的のひとつだった。
しかし、デモクエ9でも同名のキャラが出てくる。
高名な錬金術師の孫で、最強装備たるアードリックの武具を作る錬金術のレシピをくれるキャラだ。
なるほど。
デモクエ3では武器屋の名前は一切出てこないが、この世界では変な統廃合が起こり、ここでベロニアが出るのか·····。
「アンタ、何者?悪いけど、おじいちゃんは兎も角、全く無名の私の事を知っているなんて·····」
思いっきり不審がられている。
まぁそりゃあそうなるわな。
確か原作通りならこの子は唯一の身内であるヘルメス・メギトスが亡くなり1人で生活している。
いきなり見知らぬ他人から身内の話を切り出されるとか警戒して当然だろう。
「いや、実はオリハルコン製の武具を――」
「取り敢えず私の家で詳しく話を聞くわ!」
良いのかそれで!?
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