新たな出会い
カーサブランカと言う国は、デモクエ4で出てくる特にイベントのない国である。
デモクエ4は複数の章からなるオムニバス形式のストーリーが特徴的だ。
各章毎に主人公がいて、勇者が出てくるのは第5章だ。
そして今までの章の主人公達が導かれる様に出会い、魔王を倒すと言うストーリー展開になっている。
そしてこの国は第5章の勇者が初めて訪れる国で、
簡単に言えば魔王が出てきて世界が大変だよ、
と教えてくれるだけの国だ。
「ようこそ!旅の冒険者よ!カーサブランカへ!!
王がお会いになるそうですので、是非謁見の間に!」
特に誰何される事なく街の中どころか城に通される。
別に俺が凄いのではなく、単なるゲームの仕様である。
設定で言うと、ここの王様は予言や予知に敏感で、いち早く魔王の到来を察知した。
自国だけではなく世界で危機に備えるため、国に訪れた冒険者や行商人等に直々にその事実を伝え、世界に予言を拡散しようとしているのだ。
ちなみに、世界を救うから支援をよこせとリツイートしようとしたら傍に使えた兵士にブロックされる。
当然、王様が一人一人直接会って話をする訳ではなく、その日訪れた来国者を適当に集めて1日1回演説すると言う形だ。
連れてこられた謁見の間を見渡すと、特に何もなく豪華なただの広間である。
広さ的には体育館くらいか?
煌びやかな内装である。
1段高い所に玉座があり、そこに無数の兵士に護られた髭を蓄えた正に王様然とした小太りのオッサンが座っている。
「よく来た!旅の者たちよ!ここに呼んだのは他でもない!我が国が受けたあるお告げについて伝えたかったからじゃ!」
何やら演説が始まり、闇の王やら脅威がどうのと言っているが全く話が耳に入ってこない。
俺の目はある人物に釘付けされていた。
謁見の間に何人もの旅人が並ばされている中、大柄な女傑が1人で佇んでいる。
少しウェーブのかかったセミロングの赤い髪。
身につけた鎧は赤く染め上げられ、遠目から見ると、整った顔も合わさり、まるで炎の精霊のような印象を受ける。
身につけた武具やマント、大きなカバンはかなり使い込まれており、遊歴の戦士といった様相だ。
彼女はステラ・ライボルト・アントヘイル。
アントヘイル王国の王女であり、余りにもお転婆過ぎて城を抜け出し、各地で武者修行をしている。
そしてその途中で世界の異変に気付き、持ち前の正義感と腕っ節で戦いの運命に導かれて行く。
その余りの無鉄砲ぶりと脳筋まっしぐらな特徴的なステータス故に『脳筋姫 』、『耐性なし姫 』『なんでこの人常に混乱するの? 』、『 混乱すると仲間全滅するんだけど?』等恐ろしい2つ名でよばれるデモクエ4の第1章の主人公である。
やべぇ。デモクエ4は話が進んでいるのか!?
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