会社員はⅩⅡ日目に装備を更新する(1)
「ディーとアスカ、カグヤ。昨日はすまなかったな。」
マスターのプルトンさんは俺たちに謝ってくる。
「気にしないで下さい。」
「もぅ、あの人には、ぜぇっったいに頼まないからいいよ〜。」
あれから俺たちは簡易キャンプ場へと戻った。マスターから紹介された宿屋に行ってもアスカの機嫌は戻らず、朝になるまでプリプリと頬を膨らましていた。そして翌日の朝に再度、ギルドを訪れている。
「そうか。それで装備だが、このギルドに置いてあるのを持っていてくれ。今から案内させるからな。おい、案内を頼んだぞ。」
マスターのプルトンは苦笑しながら、俺たちに話しかけた後、ギルドの職員に声をかけ、武具倉庫へと連れて行くように伝えている。
「……はい、分かりました。では、お二人とも私の後に付いてきて下さい。」
そう言って歩き出した職員に付いていく。
……ギルドの外へと出ていく。
「あれ? ギルドの中に置いてあるのではないのです?」
カグヤの疑問にギルドの職員が答える。
「えぇ。以前はギルドの中に置いていましたが、冒険者の方が勝手に借りていくなどのトラブルがありまして……別のところで管理しているんです。」
ギルドの近くに、石で造られた蔵のような建物がたっており、門番として立っていた人に声をかけ、職員はその中へと入っていく。
「こちらです。」
中には大きな部屋がひとつだけあり、その部屋を木の板で仕切ることで、食料や武具、雑貨などに仕分けして並べてあった。
「ここに置いてある武具ならばどれでも構いません。お好きなものを持っていって下さい。」
「え? 良いんですか?」
「何個でもいいの?」
カグヤとアスカの問いかけに職員は頷く。
「はい。プルトンからそのように伺っています。武具や雑貨でも気に入ったものがあればどうぞ。使い方の分からないものは聞いて下さい。持ち出す前にどれを選ばれたか確認だけ取らせて下さい。」
そう言って、職員は近くの荷物に腰掛けた。あとはご自由にとのことだ。しかし、こんなにも武具や雑貨があると決められないなぁ。
「アスカ、先ずは何から選ぶか?」
「う〜ん……そうね……防具からにする?身体に合うの探すのって時間がかかりそうだし。」
そう言ってアスカは武具スペースを探索する。
「そうだな……防具によって持てる武器も変わるかもな……。」
俺もアスカと一緒に防具を先ずは探すことにした。
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