第913話 順調なLv上げ


 夜からのLv上げの場所は他の場所にする事に決まってから、狩りを再開していった。そこから10戦目の最中である。

 これまでに戦っている間でちょいちょいリスみたいな小型で素早い種族も出てくるきたから、大型化の使用はやめた。まさか大型化してる事でハサミの間からカウンター気味にネズミから蹴りを入れられるとは思わなかったよ……。

 多分カウンター用のスキルなんだろうけど、あれは油断し過ぎた。大型化は使い方によっては便利だけど、大きくなる分だけ隙が出来るのが欠点だなー。


 まぁその辺はともかく、今はとりあえず俺のロブスターの目の前に迫ってきているイノシシをぶっ飛ばす!

 てか、この赤いイノシシ、猪突猛進を使ってるみたいで吹っ飛ばしてもすぐに戻ってくるのが面倒なんだけど……。今も向かってきてるし、ともかくイノシシの顔面を狙って……今だ!


「これで、最大強化の8撃目!」

「今回のイノシシ、鬱陶しいのさー! はっ、リスが私を狙ってきてるのです! 『魔法弾』『略:ウィンドボム』『狙撃』!」

「このイノシシ、吹っ飛ばしてもすぐ戻ってきやがるもんな……。てか、投擲のリスが普通にいるとはなー」

「そこはびっくりなのさー! とりあえずケイさん、アクアインパクトを2回分下さいなー! イノシシを倒すまでは私の方で他の3体は受け持つのです! 『並列制御』『魔法弾』『魔法弾』!」

「今回はその方が良さそうだな! ハーレさん、少しの間は任せる!」

「任されましたー!」


 あー、引きつけている4体にそれぞれ2発ずつ叩き込む予定だったのに、イノシシに双打連破を6発も入れる事になるとは思わなかった。一応角度を上手く調整して、リスとカンガルーとダチョウを巻き込めたのは良かったけど、ちょっと予定外過ぎたしな。

 とりあえず今回のイノシシは自己強化も発動しているみたいで色々と邪魔だから、最優先で排除する!


「っと、やっぱりまた来やがったか!」


 いい加減ちょっと止まれ、このイノシシ! また突っ込んできて……って、やばい!? 物理型だったカンガルーとダチョウも突っ込んできてる。

 この1戦で昼のLv上げは終了する予定なのに、今回は近接型に偏り過ぎだぞ。くっ、これだとハーレさんに任せる前に自分の防御に専念しないと危ないか。防御魔法……よりは3体同時ならこっちだな。


<行動値1と魔力値3消費して『土魔法Lv1:アースクリエイト』を発動します> 行動値 68/79(上限値使用:3): 魔力値 221/224


 あーもう、今日の昼は基本的に近接のみでやる気だったのに、この状況じゃそうも言っていられない……って、ん? いや、距離を取れれば良いんだからそうでもないか。

 今の段階で全部倒す必要はないし、それならそれ相応の戦い方もある。ロブスターをメインにはしつつ、コケのスキルで補強していくか。


<『並列制御Lv1』を発動します。1つ目のスキルを指定してください>

<行動値を19消費して『岩の操作Lv4』は並列発動の待機になります>  行動値 49/79(上限値使用:3)

<2つ目のスキルを指定してください。消費行動値×2>

<行動値を6消費して『鋏衝打Lv3』は並列発動の待機になります>  行動値 43/79(上限値使用:)

<指定を完了しました。並列発動を開始します>

<熟練度が規定値に到達したため、スキル『鋏衝打Lv3』が『鋏衝打Lv4』になりました>


 俺が今使える通常スキルで一番高いLvの打撃技を右のハサミで発動! そしてそこに岩の大剣……いや、今回は薙ぎ払う為の棍棒みたいな形状にしてハサミを包み込む。そこから発動したスキルの動きに合わせて一気に岩を操作!

 今日の昼間にはロブスターの打撃スキルは色々使ってたから、ここでその1つのLvが上がったね。うん、これはありがたいけど、それはともかく……。


「イノシシ共々、お前らは吹っ飛べ!」

「おぉ、ケイさんナイスなのさー!」


 とりあえずこれでイノシシとカンガルーとダチョウは吹っ飛ばす事に成功っと。ふぅ、ここが他より広い場所で良かった。今の岩の操作は思いっきり加速してぶん殴ったから、思った以上に吹っ飛んでたな。あっという間に操作時間も使い切っちゃったしさ。

 使い分けてみて思ったけど、意外と鋏衝打は他の単発の打撃よりも打撃の速度が速い。それと確定ではないけど、地味に吹っ飛ばし効果があるっぽいから今回は重宝したよ。今は魔力集中を使ってるから、尚更にね。


 さて、まだマグマに逃げ込むくらいにHPが削れてないはずだし、今のでもまだ大丈夫だとは思うけど……って、あー!? イノシシはそのくらいまでダメージ入ってたー!? 

 

「あ、やば!? てか、リスもどこ行った!?」

「わー!? リスはこっちまで来てるのさー!?」


 くっ、イノシシに妙に翻弄されてちょっと調子が乱れてるな。いつの間にかリスに俺の妨害を突破されて、ハーレさんの近くまで行ってしまっている。そして、見慣れたリスの投擲の姿勢で――


<ケイがLv26に上がりました。各種ステータスが上昇します>

<Lvアップにより、増強進化ポイント2、融合進化ポイント2、生存進化ポイント2獲得しました>

<ケイ2ndがLv26に上がりました。各種ステータスが上昇します>

<Lvアップにより、増強進化ポイント2、融合進化ポイント2、生存進化ポイント2獲得しました>


 うおっ! このタイミングでLvが上がったって事は、アル達が樫の木を倒したっぽいな。もう少しでLvが上がるとは思ってたけど、スクショの撮影会までの最後の1戦でLvが上がったのは良かった。

 地味にLv24からLv25になった時より、Lv25からは少し経験値の量が減ってきてたからなー。まぁそれでも結構な経験値はあったのはありがたいけど。


「……リスさんよ、いくらなんでもそれは舐め過ぎだろ。『略:魔力集中』『略:重突撃』!」

「ケイさん、樫の木は片付いたから加勢するね! まずはイノシシの処理から! 『並列制御』『エレクトロクリエイト』『エレクトロクリエイト』『並列制御』『電気の操作』『電気の操作』!」

「アル、ヨッシさん、助かった!」


 よし、ここで樫の木を片付けたみんなの合流はありがたい! とりあえずアルがハーレさんに狙いをつけてたリスにクジラで突撃して、ヨッシさんが6つの電気の球を操作してイノシシに断続的に麻痺を与え続けている。

 このイノシシは面倒ではあっても雑魚敵だし、魔法での麻痺は思いっきり効くみたいで、ようやく動きが止まった。あー、猪突猛進ってこういう距離を取りたい時にはかなり厄介なんだな。


「ハーレ、これをかな! 『並列制御』『略:エレクトロインパクト』『略:エレクトロインパクト』!」

「え、ヨッシじゃなくてサヤがエレクトロインパクトなのー!?」

「ついさっきLv6になって使えるようになったかな!」

「おー、そうなんだ!? ともかくこれで弾の準備は出来たのさー! 」

「おし、それなら俺はイノシシをここで仕留め切る!」


 おー、サヤは電気魔法を連射しまくってたし……そういえば、半自動制御でのスキルの熟練度ってどうなるんだろ? 一発芸みたいに全然熟練度が入らない訳じゃなさそうだけど、稼ぎやすくはなるから少なめに設定はされてそうな気はするね。


 まぁ今はそれはいいとして、とりあえずイノシシの討伐だな。あと少しで仕留め切れるから通常スキルでも良いんだけど、まだ連強衝打を使ってはいない。この1戦で終了なんだし、行動値を使い切っても問題はないだろ。


<行動値を10消費して『連強衝打Lv1』を発動します>  行動値 33/79(上限値使用:3)


 使い切ってもいいとは言ったけど、使い切るほど敵のHPは残ってない気もする。ま、行動値が足りなければ問題だけど、余る分には問題ない!


「私とサヤでカンガルーとダチョウを仕留めるのさー! 『並列制御』『連投擲』『連投擲』!」

「ハーレが撃ち切ったら、一気に斬り刻むかな!」

「リスは俺に任せとけ! 『並列制御』『略:砲弾重突撃』『根の操作』!」


 お、アルの突撃を受けて朦朧になっているリスを根の操作で縛り上げて、クジラの全身が銀光を放ち出しているね。ふむふむ、この逃げれないようにするコンボ、何気に恐ろしいな。

 

「ケイさん、出来るだけ急いでね!」

「だな! そんじゃくたばれ、イノシシ!」


 ヨッシさんの状態異常が強力だとは言っても、永続する効果ではないからね……とか考えてる暇があれば、とにかく今は麻痺しているイノシシを殴る、殴る、殴る!

 このイノシシは瘴気強化種でLv25だったから、ここの雑魚敵としてはタフな方だけど、これで仕留め切れる!


<ケイが未成体・瘴気強化種を討伐しました>

<未成体・瘴気強化種の撃破報酬として、増強進化ポイント3、融合進化ポイント3、生存進化ポイント3獲得しました>

<ケイ2ndが未成体・瘴気強化種を討伐しました>

<未成体・瘴気強化種の撃破報酬として、増強進化ポイント3、融合進化ポイント3、生存進化ポイント3獲得しました>


 よし、イノシシは討伐完了! まだ連撃は最大強化まで行ってないけど……リスはアルに任せれば問題なさそうだ。


「あ、ヨッシさんはアルのチャージのフォローを頼む!」

「了解! 『エレクトロウォール』!」

「お、助かるぜ、ヨッシさん!」

「確実に仕留めるよ、アルさん!」


 ふむ、拘束されているリスが苦し紛れに投げていた散弾投擲を、ヨッシさんの防壁魔法が撃ち落とした。今のはナイスタイミング! ……てか、敵のリスは何を投げてるんだろ?

 そういや火の防壁魔法と電気の防壁魔法は、攻撃をして相殺する系統の防御魔法なんだよなー。よっぽど高い威力の攻撃なければ、攻勢防御も役に立つ。


 さて、俺はハーレさんが魔法弾にしたエレクトロインパクトを撃ち込んでいる方に行きますか。今は魔法弾として魔法を提供しているサヤはスキルが使えないから、カンガルーかダチョウのどちらかを俺が相手をしよう。


「えい! えい! えいやー!」

「サヤ、俺がカンガルーかダチョウの相手をする! どっちが良いとかに希望はあるか!?」

「んー、そういう事なら私はカンガルーを相手にしたいかな?」

「なら、俺はダチョウの方だな!」


 って事で、それなりに眩くなっている銀光を放つハサミをダチョウの脚に叩きつけていく。うん。単純にそれ以上高い部分には、今の状況では届かないだけだけど。

 まぁとにかく、最大強化まで思いっきり殴るまで! おら、くたばれ、ダチョウ!


「サヤ! 魔法弾は撃ち終わりなのさー!」

「分かったかな! 打撃持ちのカンガルー相手ならこれかな! 『連強衝打』!」

「サヤ、ケイさん、いっけー!」


<ケイが未成体・瘴気強化種を討伐しました>

<未成体・瘴気強化種の撃破報酬として、増強進化ポイント3、融合進化ポイント3、生存進化ポイント3獲得しました>

<ケイ2ndが未成体・瘴気強化種を討伐しました>

<未成体・瘴気強化種の撃破報酬として、増強進化ポイント3、融合進化ポイント3、生存進化ポイント3獲得しました>


 うおっ!? 一気に3体分の経験値が入ってきたのと、討伐報酬も出たな。てか、リスもカンガルーもダチョウも全部ほぼ同時に倒したのか。

 えっと、確かリスが瘴気強化種で、カンガルーとダチョウは残滓だったはず。ま、どれがどれでも別に良いか。


「ふっふっふ、Lv26に到達なのです!」

「私もかな!」

「というか、微妙なタイミングのズレはあったけど、今の戦闘で全員Lvは上がったな」

「お、マジだ」

「あはは、とりあえずみんなお疲れ様!」

「「「「お疲れー!」」」」


 今日中に目標のつもりだったけど、まだ17時目前の段階で達成出来るとはね。これなら今日の夜の効率次第では、Lv27も現実的に狙える範囲だろう。

 それにアルは海水の操作はLv6になったから、昇華の称号を取りに行かないとなー。


「あ、そうそう。さっき私の電気の操作がLv6になったよ」

「お、マジか!」

「ヨッシさんも目標の1つを達成だな」

「ヨッシが電気の昇華まであと少しなのさー!」

「後はどこかで雷が発生するのに鉢合わせないとね」

「……ここにくる時に封熱の霊峰の天気は悪かったけど、今はどうなのかな?」

「あー、どうだろな? 天気が悪いとそれはそれでスクショの撮影会に悪影響が出そうだし、微妙な気もするが……」

「あはは、まぁここまで来たらそこまで焦りはしないよ」

「こればっかりは天気の影響が大きいもんなー」

「ま、その辺に関してはあんまり次の予定まで時間がないし、後で考えれば良いだろ」

「それもそだなー」


 今は16時40分だから、移動時間を考えると17時からの合同撮影会までの時間はあまりない。昇華の称号の取得に関しては、まぁその移動中に相談すればいいか。


 さて、問題は10戦目を始める前にもうすぐ切り上げるという事で群集内共有板でやり取りをした人がまだ来ていない事だな。

 まだ来てない状態で俺らが離れる訳にもいかないけど、出来るだけ早く来てほしいところ。まぁここはそれなりに奥の方だと思うから、移動に時間がかかってるだけで来るだろうけどね。


「あ、来たみたいなのさー!」

「お、マジだ。おーい、招き猫さん! こっちだ、こっち!」

「ケイさん達、発見! ちょっと遅くなってごめんね!」

「いや、戦闘が終わってそんなには経ってないから問題ないぞ。えっと、とりあえず交代だな。ほい、マグマ適応の実」

「あはは、助かるよー! さーて、みんな、狩りを開始だよー!」

「「「「「おー!」」」」」


 ただの偶然ではあったけども、ここでの狩りを終えるから交代について群集内交流板に書き込んだら招き猫さんから真っ先に取引コールがあったんだよね。

 招き猫さんのPTメンバーは……多分面識はあるけど、名前までは覚えてなかった! ま、俺らも知り合いのツキノワさん達に譲ってもらったんだし、こういう事もあるさ。


 さて、それじゃ一旦ログアウトをして入り口に戻ってから、全群集での合同のスクショの撮影会の集合場所に向かいますか!




【ステータス】


 名前:ケイ

 種族:同調強魔ゴケ

 所属:灰の群集


 レベル 25 → 26

 進化階位:未成体・同調強魔種

 属性:水、土

 特性:複合適応、同調、魔力強化


 群体数 467/7650 → 467/7800

 魔力値 221/224 → 221/226

 行動値 33/82 → 33/83


 攻撃 84 → 85

 防御 141 → 144

 俊敏 103 → 105

 知識 214 → 219

 器用 239 → 245

 魔力 315 → 323



 名前:ケイ2nd

 種族:同調打撃ロブスター

 所属:灰の群集


 レベル 25 → 26

 進化階位:未成体・同調打撃種

 属性:なし

 特性:打撃、斬撃、堅牢、同調


 HP 4673/9050 → 4673/9250

 魔力値 105/105 → 105/106

 行動値 72/72 → 72/73


 攻撃 314 → 322

 防御 286 → 293

 俊敏 238 → 244

 知識 79 → 80

 器用 98 → 100

 魔力 51 → 52

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