第4話 川勝広道   https://ja.wikipedia.org/wiki/川勝広道

 Wikiのランダムページを開くと、川勝広道。川勝とは何とも変わった名字だ。

そう思って川勝氏を見てみると、なんとあの有名な秦河勝の末裔だという。


 広、隆、氏を通し字として使っている一族らしい。


 この川勝広道の先祖は細川氏に仕えたのちに、豊臣秀吉に仕えたそうだ。

関が原の戦いで西軍につくも、細川家に仕えていた時の主君であった細川忠興の推挙で許され、幕臣になったそうである。


 さて、この川勝広道という人は地味な人だと思っていたら、何ともすごい人であった。


 まず、砲術を修めていたようでその系統で出世しており、その後に外国奉行になっている。

 砲術を学んでいたことから、革新的な人であったのだろうか。

 そんな印象を抱く。

 その経歴と思想からか、フランスと密接な関係を持っており、フランス外務大臣に大政奉還を伝えたのはこの人らしい。


 成程、開明的な人だったのか、とひとしきり感心していると何と川勝家文章という幕府の外交文章のまとめはこの人物が所持していたものらしい。

 即ち、この人物がいなければ幕府の外交の動きはわからなかった可能性もあるということだ。

 世の史学者は、この人に足を向けることができない。


 面白い人物だ、そう思っていたら最後に書かれていたことに驚愕する。


 何と、幕府がなくなった後もこの人は重用されたのだ。

 大坂兵学寮の校長を務め、陸軍でも出世している。

 明治政府は優秀な人物ならば幕臣でも重用したというが、その実例としてあげられる人物だったのだ。


 開明的で軍才があり、歴史に多いに名を残さなかったのが何とも残念であると、思わずうならざるを得ない人物に巡り合えた。

 これだから、Wikiのランダムページはやめられないのだ。



         了

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