第337話一カ月

 今年もあと一カ月。


 あっという間の一年だったと振り返る。


 早かったなぁ、と言ってみる。


 毎年、同じようなこと言ってる気がする。


 今年もあと一カ月。


 やり残したことがないかと、振り返ってみる。


 あんまりそのあたり、自分でもよくわかっていない。


 振り返ったところでなにもないので、とりあえず昼寝でもしよう。


 今年もあと一カ月。


 やりたいことやっとかなきゃと考えてみる。


 あんまりそのあたり意識したことなかったなぁ。


 澄みわたる冬の空、とりあえず散歩にでも出かけよう。


 今年もあと一カ月。


 学校行って。


 友達と話して。


 寝て。


 学校行って――。


 そしてまた「おはよう」と、君と交わす朝の挨拶。


 そんな何でもない毎日が。


 あと一カ月続くことが、僕の幸せ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る