第334話やめられないとき

 やめられないときがある。


 友達とのおしゃべり。


 先生が教室に入ってくる。


 授業が始まっても、わたしはしばらくヒソヒソ声。


 やめられないときがある。


 深夜のカップラーメン。


 女の子だって気にしない。


 食欲に罪はないと、ブツブツ自分に言い聞かせる。


 やめられないときがある。


 水泳の授業で更衣室。


 着替えるときに、お腹を見る。


 太ってないと復唱し、チラチラ周りを気にしてる。


 やめられないときがある。


 わたしはあなたが好きだ。


 だけど本音は仕舞って、友達の関係を続けてきた。


 断られるのが怖かった。


 わたしはお喋りだし、深夜にラーメン食べるし……。


 だけどもう我慢できない。


 どうなるかわからないけど……やめられないときがある。


「あのさぁ――」


 わたしは口を開く。


 自分の気持ちに、嘘をつくのはやめた。

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