第133話 Show The Flag!!(旗を見せろ!!)
好機と見た連隊長格の権限を有する牡鹿の獣人が眷族らに伝え、振り廻させた大旗の合図で制式のマスケット銃や、魔法の射程外より破城槌隊を呼び寄せた。
その
「チ… チチッ」
何やら
城門を打ち破る性質上、大きな丸太を吊り下げた車体の重量に負けず、軽快に盾持ちの
「ッ、雑兵は銃兵隊に任せて破城槌を燃やします。第一魔術師隊、一班と二班は皆で共鳴魔法の
「いや、待て… 奴らの可動式投石機、まだ動くみたいだぞ!?」
「あぁ、もうッ!
冷静な態度で
元々、損傷軽微なのに
「少しだけ、指示内容を変更します。三班は等間隔に別れて浮遊障壁を傾斜展開、四班は目障りな投石機を潰しなさい」
「了解しました、隊長。防御って大事ですよね」
「同じくらいに相手の牙を折るのも重要……」
日々の訓練内容が座学と戦技半々なだけあり、適切に命令を解釈した魔術師兵の半数は素早く散って術式構築しつつも、城塞に迫った小型異形らを狙う銃兵隊や弓兵隊へ
それから数秒経過して、共鳴魔法で有効打を与えられる距離に破城槌が出てきた直後、各投石機と繋がった
起立していた
ほぼ同時に魔術師隊の攻撃班も組んだ術式を発動させており、二つの大火球と魔弾数発が標的に放たれるのを待って、防御班の者達が無属性魔力で構築した半透明の障壁を横列状に空中へ顕現させるも…
「かはッ、骨が…ぅう……」
「うぁ…ぅ…ッ、駄目だ……」
最前列の重装歩兵が降り注いだ石弾を大盾で凌ぐ
他数名の死傷者がジグラント領軍に生じた一方、
「「グォアアァアァッ!?」」
喉や眼球を焼かれた護衛の
既に周囲の小型異形らが道を開けていたので、過度に
「「「ウォオオォオォ―――ッ!!」」」
「…… 最悪ね、判断を間違えたみたい」
やはり多少の犠牲を出しても、耐久性の強化を優先すべきだったと後悔するヒルデの真下で、城門に群がった亜人系の異形種らが瀕死のミンクスと破城槌の残骸を下げ、内側に待機させていた軽装歩兵隊と刃を交えていく。
数に勝る人外の軍勢を押し留めるのは難しいため、各部隊長が城塞の放棄も視野に入れ始めた時、前触れなく
訳も分からずに中央の将兵らが困惑していれば、
「はぁ!? 援軍って… 南北の二領も防戦で動けないんじゃなかったの?」
「いえ、北東の方角より来たようです。恐らくはアルマイン領の騎体かと」
「この際、いけ好かない
「…… 腹黒なヘイゼン卿の性格を考えると素直に喜べませんよ、歩兵長」
支援物資は送れども、自領の軍旗を見せる事がなかった隣接領への不満もあり、兵士達の抱いた疑念を
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