第120話 取って付けた12.7㎜機関銃はザ〇マシンガン並みの無力さ
『ッ、飛翔型!?』
『また面倒なものを……』
驚愕の混じった声を聞き流して、動揺したレヴィアに
つまり、洗練されたフォルムの有翼騎が狙うのは後方に控えている一般の歩兵達か、
『陛下、如何なさいます?』
『くッ、現状での救援は厳しいな!』
騎士団長の義娘に応えながらも黒銀の騎体を後退させて躱せば、
それを右腕盾のシールドバッシュで打ち落として、反撃の左剛拳を
乗騎の後部座席より、若干の申し訳なさが
「ウ゛ゥ…ッ」
出所の不明瞭な呻きを響かせた相手は糸が切れたように止まり、がらがらと音を鳴らして崩壊していく。
その機に乗じて、少し押し込まれた位置から横方向に広がった戦線を
近接格闘を仕掛けられて得物が上手く振るえないのに加え、術師型が放つ散発的な土属性魔法の警戒も
『
『そうだな』
飛空艇含む後方部隊の皆が森を切り開いた街道付近の地形や、転移の魔封石など駆使して生き延びてくれるのを切に願い、重い打撃で転倒させられた手勢のグラディウスを
同様にゼノス団長やザックスら腕の立つ騎士も不慣れな準騎士達を気に掛け、攻勢より守勢を優先していた事から、戦局が
他方、持ち運び可能な小型念話装置を携行した斥候兵達のリレーにより、取り急ぎの連絡を受けた飛空艇の面々は少々困惑していた。
「飛翔型の騎体って……」
「そんなのあるんですか、ニーナ様?」
「凄く希少な筈だけど、投入してくるのね。 全軍、中隊単位に散開して森へ入りなさい、主副の飛空艇魔導士は防御術式の構築を!!」
貴賓席の伝声管を通じて船体下部に取り付けられた
『ふふっ、これで早々に転移できないでしょう』
『逃がさない、
慌てて船体上方に半透明の浮遊障壁を展開した標的へ向け、白エルフの侍女達が駆る “
『
銀糸の髪を片側で結い上げたシータが言霊を紡げば、某赤毛の少女も得意な
殺到する無数の小風刃が初段の護りを壊して、覆い切れなかった船首や船尾も切り刻み、
「全速前進ッ、
「了解です!!」
魔導炉で凝縮された魔力の連続的な爆散を推力に加速するも、船尾銃座の狙撃兵が伝声管を介して、有翼騎の追随を振り切れないと報告してきた。
「撃墜しなさい、許可します」
「何言ってんすか、御嬢。12.7mm機関銃で騎体の装甲は貫けませんよ」
すぐさま返された指摘通り、彼女が試製した単砲身のチェーンガンは
「むぅ、可動部の隙間を狙いなさい」
「そんな
無茶な要求に
僅かな沈黙と集中を挟み、幾つもの徹甲弾が銃身から空中へばら
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます