第118話 ライフツィヒの戦い
因みに
それ
『騎士王殿の
『あぁ、形成された天然鉱物の外部装甲は多少脆くても、核を潰すまで止まらないんだろう?』
他にも四肢を損壊させるなど行動阻害が有効な点を補足すれば、肯定の返事と続けざまに
『躯体の大部分が土類で構成されていますから、雷撃系統の魔法は地面に流されて効きません。皆様、存分に注意してください』
『ん、私の魔法と相性が悪いのは覚悟していた事ですけど…
『気にしなくても良いさ、剣技で圧倒してみせる』
平素より気負わない態度のロイドが妹魔導士に応え、いつもの如く二人だけの世界を創り出している間にも…
疑似眼球ではっきりと捉えられるようになった巨大ゴーレム達の前面には、直径80cmほどの
『ッ、陣形の幅を狭めろ、速度も落とせ!!』
土属性の魔弾 “ストーン・バレット” を警戒して、歴戦の騎士団長が義娘と駆るクラウソラスL型を自身の指示とは逆に加速させ、射程に踏み込む寸前で乗騎の位置を繰り上げる。
そのまま友軍と肩を並べて、慎重にライフツィヒの都市防壁から約600mの地点まで差し掛かれば、敵前衛に立つ三十基ほどの格闘型と思しき岩人形が呼応して、体躯とは釣り合わない太さのアンバランスな両腕を突き出した。
「「「ウオォ…オォオオ……」」」
『総員、屈め!!』
洞穴に吹く風音のような唸り声を上げて撃ち出された
接地するや
『うぁ、重い… 抜けてくるかもしれません』
『… 下がらせて貰う』
激しい衝突音に
双剣仕様かつ回避重視なので、防御は騎体両腕の錬金製手甲に頼るしかない
無論、敵勢の攻撃は騎士国のみを対象とせず、一定の距離を挟んだ右隣のゼファルス領軍にも向けられており、複数騎の魔導士が連携して積層状に半透明の浮遊障壁を構築していた。
その光景を一瞥したのも手伝い、単独で術師数人に相当するフィーネは
『応射して
『承知した、付き合おう』
『攻撃が途切れました、錬成術式を破棄します』
『散開して反撃を喰らわせろ!!』
暫時の会話を聞いていた騎士団長の義娘が七割方は崩壊している石柱群を砂塵に帰し、咆えた義父の指揮で
攻勢に転じる僅かな隙を突かれて被弾したらしく、後方から装甲を削る耳障りな擦過音や、金属板のひしゃげる音が鳴り響く。
『そんなッ… 噓でしょう、ダーヴィ!!』
『ッ……ぅ…………』
悲鳴染みた
早々に割り切れない感情を抱えながらも、ベルフェゴールの外部拡声器に組み込まれた振動板を振るわせて、既に射撃体勢となっていた
『『総員、撃てッ!!』』
飛び交う声を拾う限り、
狙い定めた標的の背後に隠れた数少ない術師型の仕業なのか、
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