(餓鬼
雨水は個体に移ろい 潤いを与え
少しの記憶を遺しながら
実に蓄えられると風は言う。
全てが比較からうまれゆくものだとして
与えることは奪うことにあり
その悼みが簡単に思い出せる優しさなのだと
気付かぬうち 押し付けられた愛は
残酷に漏れ出ては
この身はとうに 腐臭を放っている
雷鳴の末、浄罪。
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