帰郷

角地を侵食する生垣の蟻地獄

朝日を前に凛として魅せたもの、

太陽の背を舐め 焼け爛れた感情、

花弁を脱っした

射抜いた眼球は涙も出ない

三文芝居の映写機。

剥いて昏れる秘を しまい込んだ

薄紅の痴情。ひとり

砂地に墓を創る方角 蜘蛛の糸、

らくな祈りであるのに、

戸口も叩けなく なさけない ゐろ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る