儚く
帽子の鍔を解いて海を揺らし、
生簀には沢山の卵が盛衰する。
光を散らしながら
乾涸びた腕を集め風鈴を駈ける
声。
水仙の膣から溢れ 想い逢う、
そんな日があっても。
彼方には私が
私には貴方が見えやしない。
苦虫を噛み潰して、
ちょっとだけわらえないな。と
嘘を塗り込めただけの空は、
何処迄も毀れる。
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