嫦娥(ジョウガ

幼葉と天とを扇ぎ見る

月と兎と時時私

花を散ら化し未来に絆ぐ

天と地と海の底

青い匣に伝染る

緩やかに知ら占める風

憐れなり、然し擽り足る

凡て灯前に在りて

微睡む翳羽根すら

総て崩れ去る虚構の元

咲く花に価値も見い出せず

埋もれゆく種も又

御伽草紙のひとつ

誰が吹いたか判らぬ歌に

身を託せば

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