110.抜けるような巣窟

生み貶す飛行船は光に満ち

曇り空を蝕む青い海へ。

君に愛されているから

堂々と涙が滾り

雨季上がり

僕は胎児に還る。

小さめリボンが雁首を赫く飾る

けれど 歩みは停め処なく

抱えるしか能のない鍵爪

なき陰影すら 玄野兎は飛べやしない。

無人駅の嘘月にて

口を落としたらビルが経つ

その徳利に雪ぐ瑠璃

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