第5話 彼女かな?

私は以前のケバい彼女とは キッパリ別れて…

今は誰からも文句の言われない立場になっている。



今日は、先日 車が故障したところを親切に乗せてあげたメルセデスの女性(若くて綺麗で…しかも可愛い)と デートである。



彼女と出会うや 開口一番、彼女は丁寧に俺にお礼を言った。


そして…

「拓也さんったら、お礼も受け取ってくれないんですもの。 

【今度ね】って仰るから、私もこうして来てしまいましたわ。 

殿方のお誘いには そう簡単に乗らないほうですのよ。」

と続けた。



「そうそう、それが僕の手口です。 

貴女が簡単にはデートに応じてくれそうもなかったからね。」


俺はそう言って彼女が清楚でお堅い女性である事を認める言い方をした。



彼女はプライドを保てた安心感からか、本音とも思われる言葉を発していた。


「良かったわ。 私って こんなんでしょう?

尻軽女に見られがちなんです。 

自分では物怖じしない方だから…

ってケリを付けてるんですけどね。 

それに… 」



「それに…?」

俺は わざと彼女の言葉を引き出そうとした。



「あら…意地悪だわ。 

貴方だってご自分のルックスには自信があるほうなんでしょ。 

私も嫌いじゃないわ…☆ 」



俺は彼女の語尾のハッキリ言わない所を聞きたくなる。



「俺みたいなタイプの男性は嫌いでしょ? 

お節介で図々しくて…

こうして恩を着せてデートに誘ったりする…」



彼女は それには答えず、

「貴方が私の事をサクラちゃんって呼んだから驚いたわ。 

沙倉って私の歳の離れた姉さんの名前だから。」



「そうなんだ…。 

まだ君の名前を知らなかったから

思い浮かんだ女性の名前を呼んだんだよ。」



こんな俺だから、どこかで【サクラ】っていう女性と関係を持ったのかも知れない。



「ねえ 拓也さん、今日は少し冒険したい気分なの。

恋人役を担当していただけるかしら?」



「希美ちゃん、俺のようなので良かったら…

大歓迎なんだけど…

不自由してるようには見えないんだけどなあ。」



「まあ、何をもって自由なのか不自由なのかは…☆

まあ…不自由してるのよ。ハハハ…☆」



その日の昼間はドライブして食事して、

陽が暮れると景色の良い公園で仲良く並んで座った。


目を潤ませながら…

「拓也さん…」

彼女はその後は続けなかった。


【今日は冒険したい気分なの】

と言った言葉が甦った。



彼女が嫌がったら止めようと思ったが、

彼女は俺の口付けを受け入れた。 


そして唇を緩めて俺の舌を呼んだ… 。

俺は彼女の誘いに乗り…

肩を抱き、彼女を膝の上に持ち上げた。



彼女は俺とのキスに勤しみ、

俺の舌を痛いくらい吸ったりして小さなエクスタシーを追っている。


♡ ♡ ♡

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