息子とママ(その3 保険は大切篇)
アール
息子とママ(その3 保険は大切篇)
ある時。
「ママ〜! ペロが前足を怪我してる!」
「あらあら、散歩の時、どこかに当たって擦りむいたのかしらね」
「どうしよう?」
「大丈夫よ。
うちはちゃんとペット保険に入ってますからね」
「ペット保険?」
「ええ、そうよ。
動物病院でのペロの治療費なんかは、全部保険会社が負担してくれるのよ」
「へぇー! 凄いや!」
その後、ペロは病院で無事治療を終えられた。
治療費は無事保険金で支払われた。
またある時。
「ママ〜! 大変だよ!
朝見たらうちの自転車が誰かに壊されていたよ!」
「あら、本当ね。
……ひどい事をするわね、酔っ払いの仕業かしら」
「ママ〜! どうしよう?
明日から学校に自転車通学出来ないよ……」
「大丈夫よ。
うちはちゃんと自転車保険に入ってますからね」
「自転車保険?」
「ええ、そうよ。
自転車の修理費は全て保険会社が負担してくれるのよ。 本当に助かるわ」
「へぇ〜! 凄いや!」
その後、すぐに自転車は修理され、息子は新品同然の自転車に乗って学校へ向かっていった。
修理費は無事保険金で支払われた。
またある日のこと。
「ママ〜! 大変だよ!
警察から、お宅の車が事故を起こしたって!」
「ええ? 事故ですって?」
「うん。
谷底まで真っ逆さまに落ちて、もう車はぐしゃぐしゃのペチャンコだったんだって!
ねぇ……どうしよう?」
「……本当にぐしゃぐしゃのペチャンコだったのね?」
「う、うん。 そう聞いたよ?」
「そう、それなら安心ね」
「……もしかして、また保険会社が支払ってくれるからなの?」
「確かにそれもあるわね。
だけど、自動車保険はとてもけちでね。
一部しか修理費を負担してくれないのよ」
「ええ!? それじゃあどうするの!?」
「大丈夫よ。
ママの言葉を信じなさい……」
その後、すぐに彼女は新しい車を購入することが出来た。
もちろん全て保険金である。
一つは自動車保険金で。
そしてもう一つは、乗っていたパパの生命保険で。
息子とママ(その3 保険は大切篇) アール @m0120
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