どんなかんじがはいるかな?


「ゆくぞ、しぃーちゃん」

「ふん、おろかものめ! くるならこい」


 しぃーちゃんはわたしのことばにたいして、魔王のようにこし(腰)に手をあて、はないきあらくふんぞりかえる。

びしょーじょなのにすごくざんねんっぽいところはさすがだ。

 わたしとしぃーちゃんとはいつものように、おべんきょークイズでおたがいを負かそうとしていた。



「きょうのもんだいは□の中にかんじを入れて、よんもじじゅくご(四文字熟語)をかんせーさせることだ」

「わたしのしんち(神智)にかかれば、そのようなことなどぞうさもない」


 しぃーちゃんはじゃしん(邪神)にしんかした。


「まずはこれだ、“□肉□食” 」

「たわいない、じゃくにくきょーしょく(弱肉強食)だろう」

「ちがう、やきにくてーしょく(焼肉定食)だ。しぃーちゃんはにくしょくけーじょし(肉食系女子)なんだね。あした、おいしくいただかれないように、たっくんへちゅーいをうながそう」

「そんなやめろ! じゃくにくきょーしょくがせーかいなのだ!」

「しぃーちゃんのようなかんがえかたをするひとがいるから、いつまでたってもせかいがへーわ(平和)にならないんだよ」

「うぐっ」


 たっくんにいわなでほしいとこんがん(懇願)された。


「ひとつでもせーかいできたら、だまっててあげてもいーけど、どーするどーしよーかな?」

「やる! やるからたっくんにいわないでくれ!」


「じゃーこれ、“一□三□”。これくらいわかるよね?」

「い、いっせきさんちょー(一石三鳥)だ」

「ざんねん、一二三四だよ。いっせきにちょーどころがいっせきさんちょーなんて、よのなかそんなあまいわけないよ。にと(二兎)をおうものはいっと(一兎)をもえずってゆーでしょ」

「それはじゅくごじゃない、ただのすーじ(数字)じゃないか」


「しぃーちゃんにじゅくごはむずかしいかとおもって、かんたんにしてあげたのにむずかしくてもいいんだね。じゃー“七□八□”、これでさいごだよ」

「ななころびやおき(七転び八起き)!」

「せーかいはしちてんばっとう(七転八倒)。それってふとーふくつ(不撓不屈)的ななにかかな? ポジティブしこー(思考)のへーがいみたいだね」



 しぃーちゃんは泣きながらはな水をたらした。




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