小2な美少女がくっころ(仮)

壺中天

なぞなぞなぁに?

きへんになにでなんとよむ?

 しぃーちゃんとわたしはともにたっくんを愛しており、それをめぐってよーし(容姿)とがっこーのせーせきとをきそいあう仲である。


 ざんねんながら、体のほうはしぃーちゃんが発育がよく、せーせきのほうもしぃーちゃんがつねに一番で、わたしは二番にあまんじている。


 だがしかし、しぃーちゃんは頭がいいけれど素直、いいかえればたんじゅんである。



「これからかんじ(漢字)のもんだいをだす。しぃーちゃんはぜんぶわかるかな?」

「ふははは、もんだいない。わたしは天才なのだ、かんじのおべんきょーはとくいなのだ!」


 しぃーちゃんは体ばかりでなくほかのほうもそーじゅく(早熟)なのか、まだ小二なのに中二病というこころのやまいにかかっているっぽく、じしんかじょーなイタイげんどー(言動)をするところがある。


「きへんにはるとかいてなんとよむ」

「つばき(椿)だろう。かんたんすぎないか?」

「きへんになつなら」

「えのき(榎)だ」

「きへんにあき」

「ひさぎ(楸)だ。きささげのこと、あるいはあかめがしわ別名だとしっている」

「きへんにふゆ」

「ひいらぎ(柊)。おまえのもんだいはこのていどか?」


「きへんにかなでると似た字で、ちゅーごく(中国)をとーいつしたしこーてー(始皇帝)のくに」

「はしばみ(榛)だが、そのややっこしいいいかたはなんだ」

「きへんにはなやか」

「ぬるいわ! かば(樺)だ」


「きへんにうさぎ年のう(卯)」

「やなぎ(柳)」

「きへんにぜんこーしゅーかいのかい」

「ひのき(桧)だ」


「きへんにかみさまのかみ」

「さかき(榊)」

「きへんにひとくいおにのおに」

「えんじゅ(槐)」


「きへんにかぜ」

「かえで(楓)」

「きへんにおしろいのしろ」

「かしわ(柏)」




「これはむずかしいぞ。きへんにたそがれ(黄昏)のくらい、こんすいじょーたい(昏睡状態)のこん」

「えーと、えーと……。ねむのき(棔)!」

「きへんにたそがれのきいろい色では?」

「むっ、それは……、それは~~っ!」

「こんなかんたんなことがわからないようだな。こたえはよこ(横)だ」


「はんそくだ! 木ではないではないか!」

「いつ木だといった。こてーかんねん(固定観念)にとらわれているようでは、へんかする現代社会についていけないぞ」



「ずるい、ずるいのだ~~っ!!」


 やりこめられたしぃーちゃんの泣きべそはみもので、これをおかずしてごはんが二杯いただけるというものだ。



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