人間使って世界救うのも面倒だから直接神様放り込みます
マカロン星人
序章
ここは第五神界。神々が暮らす世界、その一つだ。神とはそれぞれ異なった物を司る。幅広い分野を司る者から極々限定された分野を司る者。俺はそんな中でも比較的幅広い『自然』を司る神だった。
——なんなんだいきなり呼び出されて。、、、こっちはせっかく賭け事でいい所まで勝ってたのに。
今回俺はある場所へと呼び出されていた。ここ第五神界の中心地、その遥か上空にそびえ立つ大神殿ラグラスにだ。呼び出し主はこの神界の創造主であり管理者でもある主神七柱の一人、女神アーテル。
嫌な予感しかしなかった。そもそも主神に直接呼び出されるなんてただ事じゃない。その上女神アーテルときたら神界でも相当の色物だ。あって早々何を言い出されるかわからない。神殿に近づくにつれて身体が重くなるよう感じた。
神殿へと到着した俺は思いがけない人物に遭遇した。
「ん?、、、なんだお前も呼び出されたのか?アラン」
「、、、つーことお前もなのか、、、エリカ」
「あぁ。しかしお前が一緒に呼び出されてるとなると、いよいよもってロクなことではないな。」
「こっちのセリフだ。」
こいつの名前はエリカトル。司るものは『力』。見た目の年齢は俺とそう変わらない15、16ぐらいの少女だ。小柄な体格で深い青色の髪を後ろで束ねている。
俺たちは約1600年前ほどにこの神界に生まれた。生まれた時期が近かったためか、昔からよく絡むことの多い、いわゆる悪友だ。
「しっかしだるいなぁ。なんかの叱責かな?私とお前は心当たりが多すぎる。」
「、、、俺はお前と違って何かやらかさにしても慎重にやる。主神の耳にまで入るような事にはならないはずだ。」
「どうだか。」
そうたわいのない話をしながら、俺たちは神殿内部を歩き、アーテルが居るであろう大広間に続く門まで辿り着いた。
「アランとエリカトルだな?女神アーテル様がお待ちだ。くれぐれも失礼のないように。」
「はいはい。」
門の前を護衛していた神兵の言葉を軽く流し、俺たちはその門を開いた。その先には——
「よくぞ来てくれました。アランにエリカトル。急に呼び出して申し訳ないわね。」
広間の奥の玉座へと腰掛けていたその女は、入ってきた俺たちに対してそう口にした。
女神アーテル。ここ第五神界最強の女神。その長い金髪と青紫色の目から醸し出す雰囲気は美しくもありながら、その目の奥では何を考えているのか分からない不気味さを感じさせる。
俺もこの女と直接会い、話したことは何度かあるが、おそらく何度経験しても慣れることはないだろう。
「今回あなたたちを呼んだのはあるお願いを聞いてほしいからなの。」
「、、、お願い?」
横のエリカはそう咄嗟に聞き返した。
「ええそうお願い。あなた達には、
—————ある世界を救って欲しいの。」
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