1-②
その後は、温泉町の風景を見たり撮ったりしながら町を歩き、自分が泊まる旅館へと向かう。
旅館の部屋は、よくある様な旅館の和室で間取りは六畳と少し狭い気がしなくも無いが、悪くは無い。部屋に風呂は無く、大浴場で温泉を楽しめる。
「ふぅ。」気持ち良い。“温泉”それは、今日あった事を忘れるのには最適だ。今日あった事を水では無くお湯に流せる。しかし、どうしても二年前の事を忘れる事は出来なかった。
ドンッ。
ぶつかった。今日は二回目だ。風呂上がりにぶつかるとお湯にか流した筈の事を思い出してしまう。「最悪だ……。」そう思いながらも顔を上げる。
「すいません、ぶつかっちゃって。あれ……。」
今度は先に謝れた。温泉に入って頭が冴えているのだろうか。しかし――
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