強迫症(強迫性障害)でたまに死にたくなるけどなんとか今日も生きてます
@44no
第1話
ゴミをひとつ、家のゴミ箱に入れるにしろ、何を捨てるのかを確認しなければ私は気が済まない。
例えば丸めたティッシュならば、中に何か包まれていないか、紙ならば間に何か挟まっていないか。
全部確認してゴミ箱に入れているけれど、ゴミを捨てに行く前にゴミ箱の中身を全部出してひとつひとつゴミ袋に入れなければ気が済まない。
ちょっとでも気になったら全部出して1からやり直し。
納得してからゴミ捨て場まで持って行っても、ふと気になったらその場で中身を確認する。
チェックが長引きそうなら持って帰ってきてすべて出してゴミを確認。
ゴミの日に45Lのゴミ袋をひとつ出すのにも酷ければ二時間掛かる時もある。最近では30分掛からない事が殆んどだけれど。
強迫性障害(最近正式な病名は強迫症と変わったようだ)を発病しているとは知らなかった12年程前は、45Lのゴミ袋ひとつをゴミとして出すのに丸一日掛かっていた。
なのでゴミ捨てが追い付かず、どんどんゴミが部屋に溜まっていき、汚染恐怖・不潔恐怖や洗浄強迫の症状も発症してしまった。
布団のみが聖域になり、布団と風呂場に行く動線以外にはゴミが積み重なって行った。
起きている時間はほぼ、歩くところの床拭きと壁拭き。
シャワーを浴びて出ても、ゴミから出ている埃や汚染物質でまた汚れた(と感じる)床と壁を拭く、そしてまたシャワーを浴びる、出てきて床と壁を拭く。
一日に何度も着替えるので、洗濯機は常に動いていた。1kのマンションで水道代は月に5万以上掛かっていたし、液体洗濯用洗剤は二日で一本。70枚入のウェットティッシュは一日で3~4パック消耗していた。
何か大切な物を無くすんじゃないか。汚れてるんじゃないか。強迫観念と、その不安を打ち消すための強迫行為。ボロボロになった手は、二十代であったのに老人のもののようだった。
とにかく苦痛だった。
何のために生きてるの? 当時は常に死ぬ事だけを考えていた。希死念慮にとりつかれていた。
子供が居なければ、とっくに死んでいたに違いない。
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