第78話 結衣が縁談⁉︎

「ゆ、結衣の縁談⁉︎ ど、どういうことです⁉︎」


い、いきなりそんなこと言われても・・ 脳が追いつかねえよ。


「うちの父はね、結衣に早く立派な家に嫁いでほしんだって。それで父が勝手に縁談をまとめちゃってるのよ・・」


「ちなみに相手の人は・・?」


「あの橋本家のご長男よ」


橋本財閥。1度は誰でも聞いたことがある名だ。三代前から大金持ちで、今のご長男は橋本家きっての切れ者らしい。


「ど、どうしてそんな人が結衣に?」


「なんでもこの前行った祝賀パーティーで一目惚れしたのだとか言ってたわ。父も母も大喜びなのよ」


「そ、そんな・・・」


結衣が他の人と結婚なんて・・ とても考えられない。せっかく海で楽しく遊んでるのに、結衣の幸せを壊すわけにはいかない。俺は結衣が好きだ。だから守ってやりたい。


「・・・お兄ちゃんが恋人のふりをしたら?」


あかりが唐突にそんなことを言い出した。


「ど、どういうことだ?」


「だから・・ お兄ちゃんが彼氏役をやるのよ。もちろんほんとの彼氏じゃないからね❤️」


「う、う〜ん」


そのまま付き合っちゃうかもしれないぞ? 多分そんなことしたらみんなに殺されるけど・・


「じゃあ快斗くん? お願いできる?」


「ま、まあ、結衣のためなら・・」


「OK👌 じゃあよろしくね! 期待してるわよ❣️」


「は、はぁ?」


なんか大変なことを頼まれたような気がするんだけど・・ 橋本財閥なんかに喧嘩を売って大丈夫なのか?


「ちなみに・・ 私の父と母も別荘にいるから、後で会ってちょうだいね?」


「あ、会っても大丈夫ですか?」


「・・・幸運を祈るわ」


何? その意味深な言い方。俺結構危ないんじゃないの?


「まあとにかく、結衣のところに行きましょう」


「そうですね」


「結衣さん大丈夫かな?」


俺は色んなことを考えながらボートに乗った。

俺は美香も結衣も梨沙も好きだ。もしかしたら梨沙が一歩リードしてるかもしれない。でも結衣が結婚するくらいなら・・ 俺はほんとの彼氏にだって・・・


「あっ! 快斗!」


「快斗くん! 大丈夫ですか?」


「快ちゃん! 心配したのよ!」


岸につくと、みんなが出迎えてくれた。嬉しいけど、今はしないといけないことが・・


「結衣・・」


「はい? なんでしょう?」


俺は深呼吸して言う。


「俺の彼女になってくれ❤️」


「え⁉︎」


『え〜〜⁉︎』

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