第75話 遭難

「お、教えてもらってただけだよ。2人共寝てたから・・」


「快ちゃんが起こしてくれたらいいじゃない?」


「お兄ちゃんはいったいどういうつもり💢?」


「・・・わ、悪かったよ」


そ、そんなに怒らなくても・・ だって気持ちよさそうに寝てたから・・


「じゃあ私たちも着替えきますから」


「お兄ちゃん、絶対待っててね?」


「・・はいはい」


まぁ着替えてくるまで泳ぐ練習でもしておくか。

俺はもう一回海に入って泳ぎ出した。


「よし、だいぶ泳げるようになってきたぞ!」


「快斗? あんま遠くまで行ったら・・」


「大丈夫だよ👌 ほら、もうこんなに・・」


とその時、足が岩に引っかかってしまった。


「や、やべぇ⁉︎ だ、誰か助け・・」


「か、快斗⁉︎」


「か、快斗くん⁉︎」


や、やばい。調子に乗りすぎた。これじゃあさっきと一緒じゃねえか。しかも今は近くに美香も結衣もいない。ど、どうしよう!


「大丈夫⁉︎ ・・・」


誰かが呼んでいる。誰だ・・? ああ、意識が・・

ん? なんか声が聞こえるなぁ。口元に柔らかい感触が・・


「お兄・・ん、しっか・・ お兄ち・・」


「・・あ、あかり?」


あかりが人工呼吸をしてるのか? 温かく優しい。すっげえ安心できる。


「あっ! お兄ちゃん? よかった❣️」


「わ、悪いな・・ 心配かけて・・ じ、人工呼吸まで」


「え、ええ・・ い、命の危機だしね」


あかりの顔がめっちゃ赤い。そうか、そんなに頑張ってくれたのか・・ ありがとな。


「早くみんなのところに戻らないと・・」


「そ、それがお兄ちゃん? ここって結構沖の島だから、帰り道がわからないの・・・」


「・・・はい⁉︎」


よくよく見てみれば、今俺たちがいるこの地面はただ砂や石が集まっているだけだ。しかも結構沖まで流されてしまってる。


「ご、ごめんなさい🙏・・ 助けるのに必死で・・」


「い、いや、あかりは悪くねえよ。まあなんとかなるだろ」


泳げない俺がいるから、あかりにこれ以上迷惑をかけるわけにはいかない。


「お、お兄ちゃん。ちょ、ちょっとあっち向いて・・」


「なんでだ? なんかあるのか?」


あかりが肩を押さえてる。なんか怪我でもしたのか? 大丈夫なのか?


「ちょっと見せてみろ!」


俺があかりの手をどけて肩を見ようとすると・・

あかりの水着がめくれてきた。


「は⁉︎」


「み、水着・・ や、破れちゃったのよ❤️・・」













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