第60話 全然似てねえ

「ゆ、結衣のお姉さん⁉︎」


「はじめまして、雪村由香よ。いつも結衣がお世話になってるわね」


比べて見るとほんとにそっくりだな。それにしても雪村由香って・・


「あ、あの・・ 由香さんってあの生徒会長ですか?」


「ええ、私のことを知ってるなんて光栄ね」


そう。俺たちの高校の取り決めはすべて生徒会長が行っている。先生達からの評判もすごい。


「それよりお姉様、何の用です?」


「え? 俺がぶつかったのって偶然じゃ・・」


「そんなわけないですよ。お姉様がここにいるということは何か用があるのでしょう」


「あら、結衣ったら。何でもお見通しなのね。さすが私の妹ね❤️」


「ばかにしないでください。これでも16年一緒にいるんですよ?」


「素直にお姉さんに甘えなさいよ。つれない妹ね。そんなとこが可愛いんだけどね❤️」


うん。性格はあまり似てないようだな。由香さんの方は何というか・・ 元気いっぱいって感じだ。


「ところで君が赤坂快斗くんかな?」


「え? あ、はい。そうですけど・・」


唐突に何の用だろう? 俺この人ちょっと苦手だなぁ。


「へぇ〜・・ 君、可愛いね❤️」


「は、はい⁉︎」


「いやぁ〜ねぇ〜 結衣が家で君の話ばっかするもんだからねぇ」


「ちょ、ちょっとお姉様⁉︎ や、やめて下さい。その・・ 恥ずかしいです(≧∀≦)」


いや、俺の方が恥ずかしいんだけど・・ すげえ気まずいし・・


「君なら結衣の旦那さんにピッタリだね!」


「い、いや。俺たち付き合ってないんですけど・・」


「へぇ〜 でも結衣のこと、嫌いじゃないでしょ?」


「え、ええ、まあ・・」


「ふふ。可愛い弟が出来ることを期待してるね❤️」


「は、はあ・・」


「それじゃあね〜❣️」


すぐにどこかへ行ってしまった。なんかすごい人だったなぁ。見た目はおしとやかそうなのに。


「か、快斗くん? お姉様は冗談が多いので、すみません」


「あ、ああ。気にしてないから大丈夫だ」


いや、結衣めっちゃ顔赤いじゃねえか。大丈夫かよ。


「そ、その・・ 私たちって・・ 付き合ってるんですか❤️?」


「え⁉︎ え〜っと・・ それは・・・」


か、可愛い💕 

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