第17話 美香の気持ち
はぁ〜 今日は土曜日だ。朝からゆっくり・・出来るはずもなく俺は映画館の前にいた。今日から3日連続デートという難関を越えなければならないのだ。
「快斗〜 お待たせ〜 ポップコーンとジュース買ってきたよ〜」
美香が笑顔でこっちに向かってくる。結構可愛いな。俺でも惚れそうになるぜ。
「ああ。ありがとう」
今回は美香が全部おごってくれるらしい。なんか悪いな。
「快斗、今日は恋人同士なんだからもっと甘えていいんだよ❤️」
「あ、ああ。そ、そうだな」
わかっている。わかっているんだが、やっぱり美香は美香だ。恋人というよりも幼馴染という感覚が残ってしまう。
「もう~ 快斗ったら。ほら、行こ」
美香が手を握ってきた。すげぇドキドキする。あれ?なんで俺こんなに意識しちゃってるんだ? そうだ。これは勝負なんだ。美香も仕方なくのってるだけなはず。そんなこんなで全く映画は集中できなかった。
「快斗、映画面白かったね~」
「あ、ああ。そうだな」
俺はほとんど内容を覚えていなかったのだが。なんか2人の女子が男子を取り合うんだけど、その男子は全く気持ちに気付かないとかいう話だったっけ。あの男子、どんだけ鈍感なんだよ。
「私、あの主人公に似てる人知ってる~」
「え?誰だ?」
「へへ~ 秘密~」
そんなやつが現実にもいるのか。なんか羨ましいなぁ、そいつ。そんなこんなでおしゃべりしていたら夕方の四時だった。
「快斗、今日はありがとね」
「ああ。俺も楽しかったよ。こっちこそありがとな」
ほんとに今日は楽しかった。いい思い出になったなぁ。
「快斗、問題よ。今私が考えてることはなんでしょう?」
「ええ~と 何だろう?」
今美香が考えていることか。美香も俺と同じように今日は楽しかったと思ってくれていればいいんだけどな。
「わかんねえよ」
「ふふ~ん それはね。今日は本当に楽しかったってことよ❤」
突如、口にやわらかい感触が。美香、俺どうしたらいいんだよ。お前は俺を男子として見ているのか?それともただの演技なのか?
「じゃあね、快斗。またデートしようね❤」
呆然と立ち尽くす俺をおいて美香は帰っていった。ふと鏡をみると顔が真っ赤だった。あれ?何でだろう?
「俺も意識しちゃってんのか?」
はは、まさかな。真っ赤な夕日のせいだろうよ。
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