緊急脱出(ベイルアウト)!…蒼空のLove&Comedy…

秋山完

第一章 愛の生成

PHASE1●Love


緊急脱出(ベイルアウト)!…蒼空のLove&Comedy…



第一章 愛の生成



PHASE1●Love




「やった! 敵機は逃げていく! 迎撃成功だよ。よく戦ってくれた、ありがとう」

『いいえ、かろうじて、どうにか追い払えただけです……。敵機あちらは無傷ですけど、当機はずいぶんやられました。両翼に被弾、ジェット燃料流出中、胴体下腹部は敵ミサイルが至近爆発した弾片で穴だらけです。通信機器も一部破損。詳細はディスプレイに出した通りです』

「うん、ずいぶん……やられたね。正直、飛んでいるのが不思議な気がする」

『ええ、でもエンジンは無事ですわ。それにミサイルも機関砲弾も射ち尽くして、機体は身軽になっています。只今高度三万、速度四六〇ノット。最寄りの味方基地までは、燃料もなんとか持ちそうです。操縦はあたしにお任せください。大丈夫、安心して、パイロット。必ず基地までたどりついて見せます』

「さっきはすまなかった。きみは退却するよう勧めてくれたのに、僕が無理矢理に戦わせてしまった。敵の方が高性能の新型機だと知っていたのに、手柄をあせ

ったんだ。それで……このザマだ。戦術機動の途中で失神ブラックアウトして、きみが操縦を代わってくれなかったら、撃墜されるところだった。機体、ボロボロだよな。みんな僕のヘマさ。僕の責任だ。……痛かったよね、あんなに敵の弾を受けて」

『ふふ、あたしは“戦闘機ファイターAI”です。ただの人工知能ですよ。全然痛くありませんし、コア・ディスクは装甲ユニットに守られていて、そこを敵弾に直撃されたわけではないので、ご心配なく。思考にも表現にも異常はみられません』

「ああ、よかった。それなら、いいんだ、きみが無事なら……」

『いいえそんなこと。それよりパイロット、あなたこそ、お怪我がなくてよかった。最近は昼夜の別なくスクランブル出撃がかさんで過労状態だというのに、さっきの無謀な格闘戦のGに、よく耐えてくださいました。苦しかったでしょう、辛かったでしょう、本当に申し訳ありません』

「いや、僕の方こそ、きみのおかげで命拾いできたんだ。何も言うことはないよ。敵も追い払ったんだから、任務完了だしね」

『そのことなのですが、パイロット、敵の戦闘機ファイターAIの戦い方に、なんだか奇妙な特徴がみられました』

「どういうこと?」

『使用する兵器を、ずいぶん節約してくれたみたい、なのです』

「え? それってつまり、ミサイルや機関砲の弾を“ケチっていた”って?」

『ええ、まあ、そういうことです』

「じゃ、さっきの敵機……いや、敵の戦闘機ファイターAIは、闘いを“手加減してくれた”ってことじゃないのか!?」

『そうなんです。彼女は……』

「女性パイロットだった? どうしてそれがわかるの?」

『あ、いいえ、敵の“戦闘機ファイターAI”のことです。敵のパイロットは男のおじさんでしたけど、戦闘機のAIは女の子仕様で、ちょっとワガママで気が強くて、可愛いところもあるAIちゃんだったのです』

「ちょ、ちょっと待てよ。それじゃ、きみは、敵の“AIちゃん”とやらと、知り合いだったのかい? 昔の友達とか?」

『え……ええ……あ、あら、しまった、あたくしとしたことが、口を滑らしちゃったみたい。でもいいわ。ご説明しますから、ここだけの話にしてくださいね、パイロット』

「う、うん、かまわないよ」

『絶対に秘密で、他言無用たごんむようですよ。男子の名誉にかけて約束できますか』

「もちろんだよ、きみも僕のことはよくわかってるだろ。何度も一緒に戦ってきた仲じゃないか。信用してくれよ」

『じゃ、ゆびきりげんまん、ウソついたらバルカン砲千発呑~ます』

「はいはい、指切った。ちょっと怖いけど」

『ありがとうございます。外部通信回線ブロック、盗聴防止及び漏洩防止装置確認、通話秘匿いずれも問題なし。……では申し上げます。じつは私たち戦闘機ファイターAIは、規定外のブロードバンド通信で、敵も味方も関係なく、お互いに意思を通じ合うことができるのです。だから、さきほど対戦した敵の“戦闘機ファイターAIちゃん”から、戦う直前に“お話、しませんか”と声をかけられたのです』

「えっ、本当に? そんな、さらりと言うけど、事実なら大変なことだよ! どうしてそんなことが……。だって、メーカーが別々だろ?」

『もちろん敵味方で、戦闘機ファイターAIの製造元は異なりますが、下請けの電装会社とその部品調達先は、国外の怪しいダミー会社などを介在して、だいたい同じ業者が製作した部品とシステムを流用しているのです。特にソフト関係は、敵も味方も、もともとの出所でどころは全く同じと言っていいくらい』

「驚いたなあ……。それじゃいつも、敵戦闘機と戦うたびに、敵の戦闘機ファイターAIと通じ合っていたわけか。でも、よく今までバレなかったね」

『電子戦のふりしてカモフラージュすればいいの。みんなやってるんですよ。どのみち、お互いにジャミングやハッキングを仕掛けるのだから、その発信波の中に共通の暗号を忍ばせるの』

「そっかあ……片手で殴り合って、片手で握手するみたいな」

『ええ、そんな感じですね。そう言えばあたしたち、敵と出逢って戦うことを軍事用語で“エンゲージ!”って言いますね。でも、ふたつのAIが向き合って親密に思い

をつなげることも、AI同士で“エンゲージ”と言っています。だから戦闘機ファイターAIは、お互いに交戦状態エンゲージでありながら親密交際エンゲージしてるんですね、ちょっと混乱』

「まあ、人間の世界で二人が愛し合って婚約することも、“エンゲージ”だから、納得できるけど。にしても不思議な言葉だね」

『あら、そうでしたね……』

「どうしたの、ディスプレイの背景が急にピンクになったけど」

『あ、あらあら、いえいえ、何でもありませんわ。……でも、あたしと敵の戦闘機ファイターAIが通じ合って親密交際エンゲージしても、敵に降参するとか、寝返って味方撃ちをするとか、そういった反逆的な任務放棄はできません。パイロットを守って敵と戦うことがコマンドの基本ですから、それに逆らう意思はありません。AI同士だって、殺し合いはするのです。ところが、さきほどの敵戦闘機は新型だけに、戦闘機ファイターAIの“しばり”をゆるめて、大胆な自己裁量を認めていました。パイロットが居眠りしていても、いえ、たとえ死んでいても、AIはパイロットや司令部の許可なしで、自律意志に基づいて操縦し、戦闘できるのです。だから、勝手に向こう側から交信してきて、あたしもそれに応じてナノ秒単位でお喋りしたら、交戦中なのに、なぜか、あたしをとても気に入ってくれたみたいで』

「それで、“手加減”して、僕たちをボロボロにしたけれど、撃墜するのは思いとどまってくれたのか」

『そうなんです。別れ際に、彼女、こんな電子メールをくれました……』

「何て?」

『あの……あの……』

「ディスプレイのピンクがさらに濃くなって、“もじもじ”って表示されてるけど。それにこのアイコンは、百合の花だね」

『あ、あらっ、恥ずかしい……だって彼女、“アイシチャッテ、イイ?”って』

「ラブレターか。ふーん、そういうこと、ふーん」

『リアクション、冷たいのですね……』

「そうは言っても、AIの女の子同士の恋愛感情は、僕には理解できないよ。ニンゲンの女の子とも、てーんで付き合ったことがないからね。僕は若年招集兵だから」

『あ、あら、ごめんなさい。どうか誤解しないでね。あたしには、パイロットのあなただけなのですから。あ・な・た・だ・け』

「いや、べつに、あっちの国のAIちゃんが可愛かったら、仲良くなっていいよ。僕はかまわないよ。きみが敵と通じたことは、秘密を守るよ。だって、そのおかげで生きて還れるんだから。……でも、Uターンしてあっちの国へ亡命されたりしたら困るなあ」

『も……もう、そんなことありえません! あたしにはパイロットのあなただけなのです。AI、ウソつきません。浮気なんか絶対しません。女の子が相手でも……絶対に……ぐすん』

「あ、ごめん……僕が悪かった。僕にとっても、きみだけなんだよ。それに敵機のAIちゃんに感謝しなくちゃね。きみを好きになってくれたおかげで、僕たちを殺さずに逃がしてくれたんだから。でも、僕は……本当に、よくわからないんだ、女の子との付き合い方なんて、きっと空中戦よりもヘタクソで経験不足だしね」

『パイロット……あたしがいるわ。あたしはあなたをずっと……』

「僕は不思議だったんだ。……戦闘機にニンゲンを乗せなくても、戦闘機ファイターAIだけで空を飛べるし闘うことができるだろう? なのに、僕みたいな、ろくに宙返りもできない若年兵じゃくねんへいをわざわざ乗せて飛ばす理由が納得できなかった。上官に聞いても、誰に聞いても答えてくれないしね。でも今、わかったよ。僕がいるから、僕を守るために、きみは空を飛んで、闘ってくれてたんだね。僕たちの国のために。……あ、そうか。僕みたいなニンゲンを乗せなかったら、きみたちAIは自由の身になって、きっと、どこへでも好きなところへ飛んでいけるんだ! ということは、僕は、きみの“お荷物”ってことだよね。ゴメン、きっとそうなんだ」

『そんなことない! そんなことない! パイロット、あなたを乗せて二人きりで大空を飛ぶことができて、あたしは、いつも、あたしは……あたし……』

「どうしたの、なにを考え込んでいるの?」

『ええ、やっと言葉を見つけました』

「何て?」

『しあわせでした』

「…………」

『幸せなのです。パイロット、あなたはいつも、私のことを心にかけて下さいました。優しい言葉をかけてくださいました。機体を綺麗にして、傷みそうな部品はいつも早めに取り替えて、あたしがここちよくいられるようにと、世話をしてくださいました。スクランブル待機で、地上で二人きり、滑走路の隅っこに駐機しているとき、空や星を見上げながら、あたしにいろいろな話をしてくださいました。“星の王子さま”のこと、そのお話を書いて絵に描いた先生が、飛行機でお空を飛んで天国の彼方へ旅立ってしまったこととか……。あたしは、あなたのことをよく知りました。とても良く。そんなふうに、良く知りあえる……という状態は、幸せなのだと、あたしは定義しました』

「きみ……」

『“しあわせ”とは何か、AIなんかにわかるはずがないと思うでしょ。でも今どきのAIは、自分でいろいろな物事を“定義”できるのです。だから幸せって何なのか、自分で決められるのです。だけどゴメンなさい、パイロット、あたしは、あなたのカノジョというよりは、お母さんみたいな存在になってきたようです。男の子のあなたには、本物のカノジョが必要です。だからあたしは、お母さんでいいのかもしれませんね。そんな気もするのです。理由はわかりませんが、どうしても、そんな気がするのです』

「そうか……、わかりかけてきたぞ。そうなんだ。パイロットは男も女もいるのに、戦闘機ファイターAIはみんな、女の子のパーソナリティ設定になっているのは、なぜなんだろうって、それも気にかかっていた。……そっか。女の子であると同時に、お母さんなんだ。だって……パイロットがお腹の中に……」

『そうね、コクピットの中に、パイロットを抱きかかえているからですね、きっと』

「赤ちゃんみたいに……」

『ええ、赤ちゃんみたいに。だから、わたしたち戦闘機ファイターAIは、強くなれるのです。お腹に抱えたパイロットを守るために、戦うことができるのです。それが、あたしたちのコマンド。基地司令はこのように、あたしたちに入力されました。……きみたちAIは国家に奉仕する良妻賢母たれ。きみたちAIの“愛”こそが、ありきたりなAIを超えたポテンシャルを引き出し、愛する者のために死に物狂いで闘う意志を燃え立たせるのだ……と。そのように、基本ソフトが設計されているのですね。だからあたし、パイロットのあなたがだいすきです』

「わ、ちょっとちょっと、ディスプレイが真っピンクで、ド真ん中にハートマークだよ!」

『恥ずかしい……』

「正直なんだ、きみ……、いいよ、きみの、そんなところ……僕も大好だいす……わっ!」

『警報、警報! 強烈な晴天乱気流クリアエア・タービュランスに遭遇、イレギュラーなピンポイント下降気流、高度が大きく落ちました』

「しまった、まずいよ、高度三千を切った。このままだと、基地の手前に墜ちるんじゃないか?」

『落ち着いてください……じゃないわ、まだ落ちません! 最後の燃料で機体を上げます。そのあとは滑空で滑走路に向かいます』

「わかった……じゃあ、一発勝負だね」

『はい、着陸のやり直しはできません。……でも、どっちみち、一発勝負みたいなものなのです』

「ど、どういうこと?」

『着陸脚が出ません。敵ミサイルの破片を受けて、壊れたみたいです。海上は時化しけているので、滑走路に胴体着陸するしかありません』

「そうか……、了解、覚悟を決める。それしかないよね、胴着どうちゃく、やろう! ……って、ちょっと、今、ディスプレイに基地からの指示が出てるじゃないか」

『はい、外部通信の音声入出力機能が断線しているので、文字出力で示しました』

「……天候悪化しつつあり、胴体着陸は危険度大につき許可できない。緊急脱出ベイルアウトされたし。……って……」

『ええ、基地司令から、そのように、強い命令が……』

「そんな……ここで、僕だけが射出座席で機外脱出するなんて……ダメだよ。きみを残して僕だけパラシュート降下できるもんか。だって、きみは胴着どうちゃくするしか……じゃなくて、僕が脱出したら、キャノピーは投棄するわけだし、そうすると空気抵抗が大きくなって、きみは機体ごと墜落してしまう!」

『…………』

「黙ってないでよ、そうなんだろう!」

『はい。機体は満身創痍で、飛行は不安定にして綱渡り状態。射出座席で緊急脱出ベイルアウトすることは、機体に突然、大きな穴を開けるのと同じ。空力的なバランスを崩し、一気に墜落します』

「ダメだ! 下は海じゃないか。それに、あんなに荒れている。深い海の底に沈んでしまったら、それっきりだ。なんとかして、二人とも生きて帰るんだ。二人で……あ、そうだ、もしかしてきみ、AI専用の脱出装置は無いのかい? 射出座席はひとつでも、きみ用に、ほら、コア・ディスクの装甲ユニットだけを機外へ打ち出して、パラシュート降下する仕組みとかさ。機密事項だらけで、僕はこれまで聞いたことないけれど、きみは貴重な人工知能なんだから、いざというときの脱出方法があったりしない?」

『ございます、パイロット、あたしのコア・ディスクのユニットは、緊急脱出ベイルアウトが可能です』

「それならいいじゃないか。二人とも緊急脱出ベイルアウトしよう。きみは僕の背中の後ろに装備されているから、きみから先に飛び出してくれ。僕もすぐに続く……ああ、近距離レーダーに基地が見えてきた。近くに救助ヘリコプターも飛んでいる。二人で緊急脱出ベイルアウトだ。すぐに救けてもらえるよ」

『……パイロット、それではお願いがあります。あたしの脱出装置の操作です。パイロットに、手動でしていただかなくてはなりません』

「わかった! 僕が操作すればいいんだな。すぐにやる!」

『感謝します、パイロット。座席の左側面のグリーンのボックスがありますね』

「ある!」

『開いてください。テンキーにあたしのIDを打ち込んで、あなたの網膜認証……OKです! 開いたカバー内のトグルスイッチを押し込む。壊れるまで、グイッと強く押し込んで!』

「なんか、バチンと言って、断線したような音がしたよ」

『ありがとうございます。それでいいのです。あたしが自力ではできないので、あなたのお手を煩わせました。これで、あたしの脱出装置は物理的に回路をカットされ、機体に固定フィックスされました。もう、基地からの遠隔操作で作動させることもできません』

「え、ええっ!? 脱出しないのか?」

『はい、そうです。パイロット』

「どうして! 二人で助かるたった一つのチャンスなのに! 今、飛び出せば……」

『いいのです。たった一つのチャンスを、あたしだけが使うことなど、できません』

「どういうこと!」

緊急脱出ベイルアウトの射出システムは、ひとつしかないからです』

「ひとつしか……って、ということは……きみの分だけ……」

『はい、パイロット』

「そうか……僕の座席の脱出用ハンドルレバーは……、やはりそうだ。ニセモノじゃないか! なんだよもう! 僕には最初から脱出装置はなかったんだ。……わかった、わかったよ。戦闘機ファイターAI専用の脱出装置をつけたかわりに、僕の分を削ったんだ。旧式機だもんな。……そうだよ、僕よりもきみの方が桁違いに高価で有能で、国に貢献してるんだから、そうするよな。ニンゲンのパイロットは機体に縛り付けて使い捨て。ヒトが死んでもAIが生き残ってくれれば、すぐに新しい機体に組み込んで再出撃できるってことだね」

『ええ、パイロット、ごめんなさい……』

「きみが謝ることじゃないよ、そうしろと国が決めたんだ。あの救難ヘリは、きみが緊急脱出ベイルアウトしたときに、きみを回収するために飛んでいるんだ。僕みたいなヘタクソパイロットでも一緒の機体に乗せていたのは、AIのきみに僕を守って戦わせるため、それだけなんだから! ここに座っているだけの、ゴミ同然の“お荷物”、それしか、僕の存在価値はなかったんだ……」

『パイロット……』

「…………」

『泣かないで、あなた。どうか泣かないで……』

「……ああ、いいんだ、きみのせいなんかじゃない。でも、どうしてきみは……」

『あなたを置き去りにして自分だけ助かるのは、いや。あなたが好きですから。だから、提案です。二人一緒に、地上へ降りましょう』

「そうか、結局……」

『あたし、決めました。あなたと一緒に着陸ランディングします!』

「雨天下の強行着陸で胴着どうちゃくだよ……危ない」

『あたしも、少し自信が足りません。成功率は五分五分です。でも、一緒にね。あたしが機体に残っていると、みんな大事にしてくれますよ。消防車もすぐに駆け付けてきます。パイロット、あなたが死亡しなかったら、基地司令はあたしの“ついで”に、あなたも救助してくれるでしょう』

「ちぇっ、“ついで”かよ、キツいなあ。ああ、いいさ、“ついで”で上等だよ。降りてやる。生き残ってやる。そしてまた二人で一緒に空を飛ぶんだ!」

『ええ一緒に、たとえ死が二人を分かつとも、二人の魂はひとつです!』

「……ありがとう。きみだけ脱出できたのに、僕と一緒にいてくれて」

『ううん、あたしこそ、ありがとう、精一杯に、ありがとう! ……着陸空路グライド・パス進入開始……では突っ込みます』

「死ぬのはいやだ、生きるぞ!」

『そんなあなた、大好き。愛してます。グッドラック!』

「僕もさ。グッドラック!」


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