生まれ変わるとしたら鵺

@ravinir

第1話 自己紹介

人が住んでいるにしてはいささか生活感の薄い小さな1K。そこで話し合う二人の大学生はこれからの人生を左右するかもしれない重大なことについて話し合っていた。


「なあしょう、これはこれからの四年を決めかねないとても重要なことだとはおもはないか?」

「ああ、まさしくその通りだ——」


そう、彼らに待ち構えていた一大事——


「——大学最初の自己紹介ってやつはなぁ!」


「いや、ケイよ。俺にとってはそれはそこまで重要なことではないんだ。お前と違ってな」

「え、なんで?」

「そりゃイケメンだからだ。イケメンというだけで男女問わずに友達になろうとしてくるからな」

「中身がポンコツでも?」

「中身がポンコツでもだ。いや俺はポンコツじゃないけどな。あとさっきさらっとこれからの四年とかいってたけど俺の読みではお前の人生そのものを左右するぞ」

「え?どうして?」

「俺はイケメンだから問題ないがケイは環境破壊フェイスだからな。大学でいい人を見つけられなければ一生独身の悲しい人生を送る」

「さらっとえげつない罵倒してきたな。環境破壊て。顔で植物枯らせられんの?」

「将来の職場に女性がいるとは限らないからな。なにかしら出会いの場がないと人見知りのケイに女なんてできんだろ」

「まあ確かに。だからこそ俺はしたいわけよ」

「何を?」

「自己紹介の練習。俺自己紹介するからしょうはクラスメイトのシュミレーションしてくれよ」

「まかせろ」



「はい!じゃあ次神城自己紹介シクヨロぉ!!」

「いやまて。え?俺らの教授そんなチャラい感じのキャラなの?大人のチャラさの限界を余裕で突き抜けてんじゃねーかよ」

「「え、あの神城ってやつ教授の指示思いっきり無視してんじゃんやべーやつじゃん関わんないようにしようぜ」」

「え、続行すんの?ちょ、ストップ!ここから持ち直せる気しねーからやり直させて!」

「んだよダメダメじゃねーかよ。ちゃんとしろよな」

「いやそれ俺のセリフ!ちゃんとした教授やれよ!!」

「教授がちゃんとしているなどだれが決めた?」

「確かに…じゃねーわ!いやかっこいいこと言ってるけどここは一般常識の教授でやってくれ」

「一般常識の教授がチャラくないと誰が決めた?」

「一般常識が決めたんだよ。早くやるぞ」

「まかせとけ」



「はい、じゃあ次神城さん自己紹介お願いします」

「はい。上北川「予備」校出身のいや待て誰だおれの高に合わせて予備って言ったやつ!」

「わたしだ」

「誰だよ!困るわ!」

「留年生ってばれるから?」

「知らん奴に変な絡まれ方したからだよ!あと留年生じゃねーから!」

「友人に向かって変な奴とは失礼な奴だな」

「いやしょうかよ!俺が留年してねえって知ってんだろ!」

「「え、何あの人めっちゃキレてんじゃんやべーやつじゃん関わんないようにしよー」」

「詰んだじゃねーか!ストップだ!」

「ケイはまともに自己紹介すらできねーのか?」

「しょうのせいでな!練習だからって変なことすんな!」

「でも俺は本番でも同じことする気だったぜ?」

「自爆テロやめい。本番では絶対すんなよ。やり直し!」

「お望みどうりに」

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