令和二年一月三日

 星が残るころより外出。甲駿橋こうしゅんばしをとおり南部に抜けてゆく。

 しばらくすると山並みのむこうからせまりくる気配がある。

 見れば、天の薄むらさき。しずかな明けぞらは御人の障子あかりかと思える。

 そちらがわを覗いてみたくもあるけれど、到底届かないはるかさが、かえってお互いを尊いものに落ち着けているのかもしれない。


 つれづれに考えながら信州上田まで足を伸ばす。

 どうやら生活の範囲に雪はなく、山陰やまかげの霜が白くているくらい。

 年始でひとがいないのがかえってよかった。

 用という用もなくぶらぶらしたあと、土産をすこし手にして帰路につく。

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