海山大戦α

@Ak386FMG

第1話

 あるところに浦島太郎という者がありました。この男は誠実で、たいそうお人好しでした。人からもの頼まれると断り切れず、手を貸してしまい、きちんと最後までやり遂げます。そのため、村の怠惰な者たちは、困ったら浦島に頼めばよいと思っておりました。しかし、父と母を早くに亡くし、一人で生活してきた浦島にとっては、そうやって人が声を掛けてくれて、仲良くしてくれるだけでうれしかったのです。

 ある日、浦島が浜辺に行って釣りをしようとしていると、一匹のカメが子供たちにいじめられておりました。

「こらこら、カメをいじめてはいかん」

 そう言いながら、浦島は子供たちに近づいていきました。子供たちは、最初は、浦島の言うことを無視してカメを殴り続けていましたが、浦島がその太い腕でがしっとある子どもの肩をつかむと、その子どもが慌てて逃げ出し、そのほかの子どももそれにならって退散していきました。

 浦島が、カメに対して、独り言のように、大丈夫だったか、どこか怪我はしていないかと声を掛けました。カメには、かなりひどい傷痕があるように見えます。さらに、よく見ると、左前足の先端部分が少し欠けています。そのカメからは、意外な返事が返ってきました。

「浦島さん、いじめられているところを助けていただいてありがとうございました。なんとか海へ帰ることができそうです。

 ところで、私は竜宮の者なのですが、私を助けていただいたお礼に、あなた様を竜宮城へお連れしておもてなしをさせていただきたいのですが、いかがでしょうか」

 浦島は、竜宮城と聞いて驚いてしまいました。浦島の村の伝説では、かつてカメを助けた男が竜宮城へ行ったとあったのです。そんな竜宮城なるものが実際にあるのでしょうか。浦島は、しばらく目をぱちぱちさせてただつっ立っていました。

「いかがですか。お嫌でしたら、無理にとは言いません。ただ、私のご主人である乙姫様もあなた様をおもてなしできないとしたら、たいそう悲しまれるでしょうね」

 浦島は、乙姫様が悲しまれるという言葉が頭の中でざわざわと響き渡りました。そもそも竜宮城へ行くこと自体にそこまで抵抗はなかったのですが、行かないことで誰かが悲しむことになるというのであれば、行く以外の選択肢は消滅します。

「そうおっしゃるのでしたら、ぜひとも竜宮城へ連れて行っていただけませんか」

 浦島がそうカメに言うと、カメはとてもうれしそうな顔をして、ありがとうございますと何度も浦島に頭を下げるので、浦島は、参ってしまって、とんでもないというように両手を自分の前で振って、へこへこしました。


 カメの背に乗って、浦島は、海の中を潜っていきます。途中まで思いっきり目をつむり、息を止めていましたが、カメに、そんなことをしなくても大丈夫ですよ、と優しく言われたので、おそるおそる目を開け、口を開けてみました。すると、陸にいるときと同じようにはっきり目を開けられるし、しっかり息をすることもできます。浦島は、カメと、不思議ですね、などと会話をしながらどんどん海の深いところまで潜っていきました。

 竜宮城は、それはそれは見事なお城でした。立派な門の前に立つともう塀の端がどこにあるのか分かりません。門が開くと、まず目に飛び込んでくるのは、雲の中にいるかのような白と、鮮血のようで、燃えるような赤い柱。屋根はエメラルドの瓦で葺かれています。カメの説明によると、その屋根のてっぺんには金のしゃちほこもついているようです。門をくぐって左に目を移すと、そこには、大きな水の澄んでいる池がありました。そのそばには立派な力強い松の木もあり、浦島は、こんなところにも松は育つのかと思いました。

 竜宮城に入ると、様々な方が廊下に並んでおり、お待ちしておりましたと言って廊下を通っていく浦島に頭を下げています。浦島を出迎えてくれているようです。

「こちらは、みな、竜宮城で乙姫様に使えている者たちです。あ、こちらの角を左です。正殿のこちらの部屋でまずは、乙姫様に謁見された後、大広間でご宴会となります」

 浦島は、乙姫様に謁見し、直接乙姫様を拝見することができました。乙姫様は、それはそれは美しい方で、この世の全ての美しさを集めたような人でした。それでいて、さっぱりしていて、動きや言葉に傲慢さや卑屈さがなく、とても丁寧な方です。乙姫様から、カメを助けていただいたそうでありがとうございますと、浦島は、お礼を述べられると、このような素晴らしいお方から深々と頭を下げられて、浦島は、内心踊りだしたくなるくらいに浮かれ、脚のしびれに、ついに正座していた足が浮き出したかと思ったほどでした。

 宴会では、浦島の隣に乙姫様が座り、浦島にお酌をしてくれています。これは、このような綺麗な女性から丁寧に扱われたことのなかった浦島にとって幻のような、夢のような光景でした。目の前では、タイやヒラメがおもしろおかしい踊りや一発芸を披露してくれていましたが、全く目に入って来ません。代わりに目に入るのは、隣で楽しそうに笑っている乙姫様でした。浦島は、何度か自分の頬をつねってみました。けれども、痛いような痛くないような感じです。浦島の様子に気づいた乙姫様が、どうしたのかと尋ねてきます。浦島が、まるで夢のようで、自分の頬をつねっても痛いのかどうか分からないのだと申すと、乙姫様は面白がって、浦島の頬をつねって、これならどうですかと聞くのです。その、小さく、やわらかく、そしてひんやりとしている手が、お酒で顔が熱くなってきていた浦島にはとても気持ちがよく、今にも惚けてしまいそうでした。乙姫様は、そんな浦島の様子を見て、そっと笑うのでした。

 そのような宴会が、三日三晩続きました。

 ある日、浦島が、竜宮城の廊下をうろついていると、玄関口のところで様々な人が出入りしていることに気づきました。

「あの方たちは、どのような方なのでしょうか」

 浦島は、近くにいたカメに聞きました。あの助けたカメとは、浦島がこの竜宮城に来て以来、ずっと浦島の身の回りの世話をしてくれており、徐々に仲良くなってきておりました。

「浦島様、あのお方たちは、乙姫様に会いに来られた方たちでございます。私も、詳しくは存じ上げないのですが、乙姫様は、最近婚活をなされており、乙姫様の婿になろうとする者たちが、お土産を持って見合いをしに来られているようです」

 浦島は、乙姫様でも婚活をなされる時代なのかと納得し、そのまま宮中の散歩を続けました。すると、廊下の向こう側から、誰か、綺麗な着物を着た方が走ってくるのが見えたのです。そして、よくよく見ると、その方というのが、あの乙姫様なのです。そして、乙姫様は、浦島の姿を見かけると、浦島の方へ一気に駆け寄ってきました。そして、浦島のもとまで来ると、そのまま浦島に抱きついてきたのです。以前謁見をしたときとは大きく異なり、この日の乙姫様はあまりにも子供っぽくって、そのご様子がなんとも可愛らしく、浦島には、乙姫様に、守ってあげたくなるような気持ちさえ湧いてきたのでした。

「おやおや、乙姫様、これはどうなさったのですか」

 浦島は、そんな乙姫様のご様子が気になって尋ねました。

「いえ、最近は、こうして多くの方がこの竜宮へ私を尋ねて来るものですから、なんだか疲れてしまって……。逃げ出してきてしまったのです」

 乙姫様は、いたずらっぽく笑います。

「さきほどこちらのカメさんからうかがったのですが、最近婚活をなされていると伺いました。やはり大変なのですね」

 浦島のその言葉に、乙姫様は、カメの方をきっとにらみました。そして袖で口元を抑えながらおほほと笑ってこう言いました。

「このカメったら、また余計なことを。実は、そうなのです。もう色んな方が私を口説こうとするのですが、その口説き方がどれもこれもあまりにも俗っぽくてうんざりしてしまって」

「乙姫様は、とてもお美しいですから、さぞかし立派な方がお似合いになるのでしょうね。乙姫様は、どのような方がよいのですか」

 乙姫様は、この浦島の問いに、少し難しい顔をして考えてからこう言いました。

「これは、心の優しい浦島さんにでしたら申し上げてもよいでしょうか。実は、この私が婚活を始めましたのは、理由があるのです。以前から、この海の近くにある山の者たちが少しずつ海に進出してきておりましたの。最近までは、すぐに追い返すことができたのですけれども、先日、神官に占わせたところ、近い将来、恐ろしい山の者二人が襲ってくるようなのです。そんなことになっては、この竜宮はひとたまりもありませんから、この竜宮を守ってくれるようなお方を探しておりますのよ」

「なるほど、そうだったのですか」

 浦島は、こんな話を聞いて黙ってはいられませんでした。このようなお美しい、そして可愛らしい乙姫様を襲おうとする者がいるとは、許せない。それに、ここで戦果を挙げられれば乙姫様にお近づきになる好機でもあります。

「乙姫様、もしよろしければ、その山の者の退治を私に任せていただけませんか。私が、必ずやその山賊たちを討伐し、この竜宮に平和をもたらせてみせます」

「本当にございますか。いえ、ご客人にそのようなことまでお頼みすることはできません。これは、竜宮の問題でございますから、今回はお気持ちだけ頂くということで」

 乙姫様は、浦島の提案に、顔いっぱいに花が咲いたように笑顔を広げていらっしゃったが、すぐにその花もしおれてしまい、しょんぼりとうつむかれ、浦島の胸に顔をおうずめになられました。浦島は、そんな乙姫様の弱々しい細い肩をがしっと掴んで、顔を上げられた乙姫様に真剣な表情でこう言いました。

「乙姫様、私は、困っている方を放っておくことはできません。一人の男として、あなた様を、そして竜宮をお助けしたいのです。お客だから、などということを気にしてほしくないのです」

「そうでしたか、そこまで浦島様がおっしゃるのでしたら、お頼みしてもよろしいですか」

 乙姫様は、とても嬉しそうに、顔を赤らめられて言われました。

「はい、もちろんですとも」

 浦島は、乙姫様の笑顔につられて、笑顔でそう答えました。


 浦島は、乙姫様に対して、山賊退治をやると言ってしまいましたが、実際にはどうしたらよいのか全く分かりません。カメに話を聞いてみましたが、山の場所は分かるものの、どのような者が襲ってきているのか、よく分からないとのことでした。そこで浦島は、まず、その山の者がいるという山へ調査に行くことにいたしました。このことを乙姫様に報告すると、乙姫様は、浦島をたいそう心配するような顔つきになって、気をつけて行ってきてくださいね、と言うのでした。

 浦島は、カメに連れられて山のふもとにある海岸までいくと、昼であるのに、山の奥の方は、薄暗くて見通しがよくありませんでした。カメは、山の中まではついていくことができないというので、カメを浜辺で待たせておいて、浦島が1人で行くしかありません。浦島は、少し怖いなぁと思いながらも、一人山の中へ入っていきました。

 一度に山の全てを調査することはできませんから、日が暮れるまで山の中で調査をし、日が暮れたら竜宮に戻ると言う生活をしておりました。しかし、山に入っても得られる情報と言えば、ここに狸がいたとかそういうことばかりです。だんだん心が折れそうになりましたが、乙姫様のあの悲しそうな顔を思い出して、山での調査を続けておりました。そうして、山に調査に入っていって、何度目かのことでした。山の中にきれいな川が流れており、その端に小さな木の家が建っているのを発見しました。窓がないので、中をのぞくことはできませんでしたが、中からは、おじいさんとおばあさんの声が聞こえます。浦島は、その家のそばまで行って、耳をすましてその会話を聞きました。

「おい、ばあさん、もうすぐ桃が流れてくる時期だから、気をつけて見ておいてくれよ」

「はいはい、分かりましたよ。それにしても、あれからまた80年が経ったわけですかえ。早いもんですねぇ」

「そうじゃのう。今度は素晴らしい子どもが生まれるといいんじゃがのう。いつまでこんなことが続くんじゃろうか」

「海の者がいなくなるまでなんですかねぇ。ほんとに、もう耐えられませんよ」

 そこまで聞いたところで、おじいさんが、どうやら柴刈りに行くようで、会話が終わってしまいました。しかし、浦島は、重大なことを聞いたと思いました。海を襲っている連中は、実は、どうやらこのおじいさんおばあさんの子供らしいのです。浦島は、いったんここで退くことにして、この情報をもとに作戦を考えることにしました。


 浦島は、竜宮でこう考えました。おじいさん、おばあさんの子どもが海を襲ってくるのであれば、その子どもが生まれる前に、おじいさんおばあさんを倒してしまえばよいのです。そういうことなら、ドンパチやらずにすみ、なんとかなりそうでした。

 そこで、浦島は、また山に行くと狸を見つけて、その狸に対して、こう頼みました。

「ここに2つの石がある。こいつを、この山にある小屋の前でかちかちと打ってくれ。そうして小屋が燃え始めるのを見たら、戻ってくるんだぞ。それができたら、食べ物をたくさんやるからな」

 これを狸に頼んだのは、自分がやると、すぐにおじいさんやおばあさんに見つかってしまい、足がついてしまうと思ったからでした。狸は、食べ物がたくさんもらえると聞いて、わーいと喜び、ねだるようにして火打石を浦島から受け取りました。そうして、例の小屋のある方へと走っていったのです。

 浦島は、それから、長い間、狸が返ってくるのを待っておりました。しかし、なかなか狸は帰ってきません。どうしたのだろうかと思って待っていると、ようやく狸が帰ってきました。その様子は、あちこちにあざがあり、もう泣いていて顔がぐしゃぐしゃです。その狸が浦島のもとへ駆け寄って、浦島に抱きかかえられて言うには、どうやら、かちかちと火打石を売っていたら、火が点く前におじいさんに見つかってしまい、ひどく怒られ、棒でいろいろたたかれたので、急いで逃げて帰って来たというのです。浦島は、かわいそうな目に遭わせてしまったと思い、ひどく反省し、狸の介抱をしてやった後、山に帰してやりました。


 浦島は、竜宮に戻って悩みました。小屋に放火させる作戦は、失敗しました。これからおじいさんたちは警戒を強めることと思われました。それをどう突破するか。そんなことを考えていると、乙姫様が浦島のもとを尋ねてきました。

「浦島様、山の者の退治の方はいかがでしょうかか」

 乙姫様は、少し心配そうな様子で浦島に尋ねます。

「それが、相手がどこにいるのかまでは分かったのですが、その相手をどう制圧したらよいのか、悩んでいるのです」

「そうでしたか。実は、先日、何者かが竜宮に来て城内部に侵入し、私の隣の部屋を破壊していったのです。幸いにもそこには誰もおりませんでしたので、けが人は出なかったのですが、次はお前だぞと言われているようで恐ろしくて……。まだ犯人は分かっていないのですが、きっと山の者の仕業に違いありません。なんとか早く山の者をこの世から消し去ってほしいのです」

 浦島は、この乙姫様の言葉になんとなく引っかかるものを感じましたが、そのような事件があったのならば怖がるのは無理もないと思いました。

「乙姫様、私をその破壊された場所へ連れて行っていただけませんか。山の者を倒す手掛かりが何かあるかもしれませんので」

 乙姫様は何か不安そうな顔をされながら、分かりましたと述べて、カメを呼び、浦島を案内させました。

 浦島が、破壊された部屋に着きますと、そこには焦げた匂いが広がっていました。床に人が2人ほど入ることができそうな穴が開いており、その縁が焦げているところをみますと、この下で何かが爆発したのかもしれません。その床の下は浅いですよとカメが申しますので、浦島は下に潜ってみることにしました。すると、穴から少し離れたところに、ちぎれた布のようなものを見つけました。その布は少し焦げているようです。浦島は穴の外から入ってくる光に照らしてその布を見てみると、それは、どうやら黄色地に黒の線が入っているようで、虎柄のようなものでした。山の者が着けているものなのだろうかと思いながら浦島がそれを眺めていると、外で乙姫様が浦島を大きな声で呼んでいます。浦島は、その布を放って慌てて穴の外に出て、乙姫様のところへ向かいました。

 乙姫様の下へ駆けつけると、乙姫様が浦島の胸に飛び込んできました。少し体が震えています。浦島が、どうしたのですかと聞くと、今山の者たちが来て乙姫様に殴りかかろうとしたというのです。そこにちょうど警備の者が駆けつけてその攻撃を防いだところ、山の者はすぐに逃げて行ったとのことでした。

「まだ近くにいると思います。浦島様、どうかあの者たちを消し去ってください」

 浦島は、はいと力強く返事をすると、その付近に置いてあった棍棒を持って山へと向かいました。


 カメに連れられて浜辺まで行くと、浦島は、一人山の中へ入っていきました。浦島は、どうにも様子がおかしいと思いました。さきほど逃げたという割には、道中に一度も山の者らしき人影を見ておりません。それでも、そこまで逃げ足が速いのかと思って浦島は、棍棒を堅く握りしめ、例の小屋に向かってずんずん進んでいきました。

 小屋に着くと、中から人の声がします。しかし、先日聞いたようなしわがれた声ではなく、はきはきとした、力強い声です。しかも会話から察するに、中には3人いるようでした。浦島は急に怖くなってきました。年寄り2人ならともかく、若い者が3人も襲い掛かってきたら、一人では敵わないと思ったのです。しかし、乙姫様の怖がっている様子や、さきほどの震えている様子が脳裏に浮かびます。

「お父様、お母様私は、鬼退治をし、海の中に潜んでいる連中も必ずや叩きのめしてきましょう」

 中からそのような言葉が聞こえてきました。浦島は、確信しました。こいつらが乙姫様をこんなにも苦しめているのだと。こんなにも怖い思いをさせているのだと。そうすると、次第に浦島の手や脚にも力がこもってきて、ここで一気に終わらせてやるぞという気持ちになってきました。会話から察するに、幸いにも彼らはこちらに気づいていないようで、警戒心も薄いようです。今不意打ちをふれば、必ずや成功する。そう思って、浦島は、表の扉から入っていくことを決心しました。


「山賊ども、成敗じゃ」

 浦島は、扉を勢いよく蹴破ると、大声で、こう叫びながら小屋の中へ侵入していきました。小屋の中には、3人おり、外で考えていたとおり、若々しい感じでした。特にそのうちの一人は、少年のあどけなさが残るもののがっしりとしており、額には、「日本一」のハチマキをしています。手には日本刀が握られており、まさに、2人の男女から写真を撮られているところでした。小屋の中にいた2人はぽかんとして口を開けて驚いていましたが、そのうち、「日本一」のハチマキをした者は、浦島が入って来たのを見ると、一気に顔の表情が引き締まり、浦島に日本刀で襲い掛かりました。

 あ、という間に「日本一」の者は、浦島の目の前まで来ておりました。浦島は、そのあまりの速さに驚きながらも、なんとか棍棒で防ぎながら応戦しました。その日本刀の扱いは、美しくそして効率的でした。その目は、ずっと浦島を捉えています。浦島は、じりじりと壁へ端へと寄せられていきました。そして、浦島が角まで追い込まれると、その者は、こう言ったのです。

「海の鬼どもめ。自ら敵地へ乗りこんでくるとはいい度胸だ。まずは、お前から成敗してやる」

 その言葉に、浦島は、頭にきました。

「私は鬼なんかではない。それに、海の者をけしかけているのはお前たち山の者たちではないか」

「ふん、聞いて呆れる。鬼に人間たちを襲わせないように約束する見返りに多くの貢物をもらっておいて、『何が鬼ではない』か。鬼とつるんで財宝を巻き上げているだけだ。そんなもの、鬼が人々から財宝を奪い取るのと変わることか」

 浦島は、驚きました。あの列をなして竜宮に来ていた人たちは、貢物を献上に来ていたのでしょうか。鬼たちとつるむとはいったいどういうことでしょうか。浦島は、動揺しましたが、あの乙姫様の悲しむお姿が、また脳裏に浮かびます。あのようなお方がそのようなことをしているはずがない。

「違う。乙姫様はそのようなお方ではない。あなたは騙されているんだ。あのような素晴らしいお方が鬼などとつるんでいるはずがない。私はこの目で見てきた。あのお方のすばらしさを、あのお方のひどく悲しんでおられる様子を」

 「日本一」は、あまりにも浦島が自信をもって答えるので、一瞬自分の信じていることを疑いました。自分は、お父様とお母様から海の者や鬼について聞かされてきていただけで、何一つ自分の目で確かめてみたことがなかったからです。しかし、お父様とお母様のお話は自分の兄様たちが成し遂げてきた偉業の積重ねでした。その戦利品は小屋の中に大切にしまってあります。そういう一つ一つがお父様とお母様のお話を信じるのに値するものにさせているのです。「日本一」は、意を決して浦島に最後の一撃をくらわせようとしました。そのときです。

「桃太郎や、もうやめておし。そのお方は、きっと悪いお方じゃないよ」

 そう言ったのは、浦島と桃太郎の攻防を後ろでじっと見守っていた桃太郎のお母様でした。桃太郎は、顔を浦島に向けたまま答えます。

「お母様、ですが……」

「桃太郎や、無駄な殺生をしてはいかん。このお方はきっと海の者に騙されているんじゃよ」

 その言葉を聞いて、桃太郎は、ようやく刀を鞘に納めました。そして、そのまま浦島を取り押さえて棍棒を手放させました。

「あなた、お名前は、何と申しますか」

「はい、浦島太郎と申します」

 浦島は、桃太郎のお母様の優しい言葉にすっかり戦意を喪失しておりました。どことなく、自分の死んだ母親の声に似ているような気もします。桃太郎のお母様は、浦島太郎に向かってこう語りかけました。

「浦島さんが、向こうでどのようなお話をうかがっているのかは分かりませんが、私たちが知っている私たちと鬼と海の者の関係についてお話します。

 もともと、この辺りは平和だったのですが、あるときから、鬼ヶ島に鬼が棲みつきました。鬼は陸まで来て人々から財宝を奪ってしまうのです。しかし、またあるときから、そのような強奪はぴたりと止みました。噂によると、どうも、海の者たちが鬼と取引をして止めさせたようなのです。それから、海の者たちが、鬼を後ろにつけて、人々を脅したてるようになりました。

 ちょうどそのころ、私たち夫婦がこの山に来たのです。私たちは、この山で子を初めて子をもうけたのですが、その子どもは勇猛な子でした。その子がある日、どこから鬼のうわさを聞いてきたのか、鬼退治に行くというのです。私たちは、最初はその子を止めました。しかし、彼は、人々を苦しめる鬼や海の者が許せないから、どうしても行かせてほしいと言うのです。そこで私たちは、彼にきびだんごを渡して鬼退治に行くことを許すことにしました。

 しかし、これが私たちの最初の後悔であり、地獄の始まりでした。その子は、ボロボロの状態で帰ってきました。どうやら鬼に負けてしまい、一人命からがら帰って来たというのです。私たちは、ひどく悲しみました。しかし、最期にその子は、こう言ったのです。

『この川の川上に桃の木を植えた。それは、鬼ヶ島へ行った際、鬼の財宝の一つでこれだけ持って帰ってくることができた。その桃を食べて元気になってほしい』

 私たちは、最期まで私たちのことを心配してくれたこんな優しい子がこんな形で死んでいくのを見て、本当に辛かったのです。それから、80年ほど経った頃、この小屋の傍にある川に、桃が二つ、どんぶらこと流れてきました。私たちはこれを見て、あの子が言っていたのは、この桃だろうかと思いました。実は、それまであの子が言った桃の木を探していたのですが、全く見つからず不思議に思っていたのです。その二つの桃を川から拾い上げておじいさんと二人で食べました。すると、次の日に私たちは若返っているではありませんか。私たちは驚いて顔を見合わせました。

 その後、私たち夫婦は、せっかく若返ったのだからと、もう一度子どもをもうけて育てることにしました。あの子がくれた幸せな時間で少しでも幸せを増やそうと思ったのです。しかし、そのときにできた子も、また勇猛な子で、いつしか鬼退治に行きたいと言うようになりました。私たちは愕然としました。また繰り返されてしまうのかと思いました。けれども、次の子もどうしても鬼を許せないというのです。結局私たちが折れて鬼退治に行かせることにしました。しかし、結果は、同じどころか、彼は私たちのところに戻ってくることすらありませんでした。私たちは、本当に悲しかったのです。結局呆然としたまま80年を過ぎてしまいました。最初の子がくれた時間を無駄にしてしまったような気もしました。

 ところが、やはり、その頃に、依然と同じように、桃が二つどんぶらこと、この川を流れてくるのです。私たちはびっくりしました。そして、もう二度とこんなつらい思いをしたくないと思い、食べるのを止めようかと思いました。しかし、そのとき夫がこう言うのです。この桃を食べて、子どもが鬼退治をできるようにするのがわしらの役割なのかもしれん、と。私は、泣いて反対しました。どうしてもあれほど恐ろしいことを自分の子どもにさせたくなかったのです。しかし、結局は、夫に説得されてしまいました。それから、私たちは、もう千年以上の間こうして自分の子どもに鬼退治に行かせているのです」

 桃太郎のお母様は、悔しさから少し泣いていました。浦島はその姿に心を打たれてしまいました。後ろから桃太郎のお父様が、桃太郎の兄様たちの写真や鬼退治から持ち帰って来た品を見せてくれました。どれも一つずつ大切にしまってあるようでした。その中に、黄色地の黒の線の入った布が目に入りました。どうやら虎柄のようです。浦島は、これは何ですかと尋ねました。

「ああ、これは、7人目の子どもが鬼退治から持って帰って来たものでね。鬼のパンツの一部らしい。こんなものを持ち帰ってくれるより、子どもが無事に帰ってきてくれる方が何倍もよかったんだがね……」

 その布をよく見ると、浦島には見覚えがありました。そう、この山に来る直前に竜宮城で見たあの切れ端でした。浦島は驚きました。竜宮に鬼が出入りしていたということでしょうか。

 浦島は、別の写真に目を移しました。そこには竜宮でよく見たあの乙姫様と鬼が一緒に写っています。

「その写真は、3人目の子が海に調査に行ったときに撮ってきた写真でね。決定的な写真が撮れたと言って喜んでいたんだよ」

 浦島は愕然としました。あのお美しい乙姫様が、こんな鬼と親し気に話しているのは信じたくありませんでした。しかしながら、この写真が偽造されたものとは思えません。浦島は、肩を落としました。自分が今まで信じていたものが全て崩壊していくような感覚でした。自分が足を置いていた地盤が崩れ奈落の底へ落ちていくような感覚でした。

 浦島は、すっと立ち上がり、小屋から出ていこうとしました。桃太郎が、おい、どこへ行く、と引き留めようとします。

「ちょっと竜宮まで行ってくる」

「ならばそう簡単に帰すわけにはいかん」

「いや、最後に乙姫様がどのようなお方か確認してくるだけだ」

「そんなことが許されるとでも思っているのか」

「まぁまぁ桃太郎。許しておやりなさい」

「しかしお母様」

「自分の目で確かめるということも大事なことなのですよ」

 桃太郎は、そう言われて浦島から手を引っ込めました。浦島は、ありがとうございますと言って小屋を後にしました。


 桃太郎は、カメに乗ると竜宮へ向かいました。そこでそうっと城に入り、乙姫様のお部屋の近くに行きました。その隣の部屋に差し掛かったとき、隣の部屋が修繕されていることに気づきました。浦島は、その場にいた作業員風の男に声を掛けますと、どうやらさきほど修理工事が終了したようです。

「いやぁ、乙姫様にも参ったものですよ。いきなりこの部屋を爆破してくれって頼まれて、そんでもってすぐに修復してくれって言うんですからね。爆破は、いつものとおり鬼の方に担当してもらったんですけど、彼ら、爆破のさせ方が汚いんですよね。こんなきったねーパンツまで残していくし。あいつら鬼だからって、威張ってるし、金の割に仕事の内容も適当なんですよ。まったくやりづらいったらありゃしない」

 浦島が、その者と別れると、ちょうど乙姫様の部屋からこのような会話が聞こえてきました。

「え、今月の取り分は3対7ですって。そんな数字受け入れられるわけないでしょう。いくら相手が鬼だからってそのようなことではこちらがやっていけませんの。護衛の料金は別でお支払いしているでしょう。今までどおり、こちらが7、鬼たちが3以外認めません」

 その声は明らかに乙姫様のものなのですが、どうもいつもと口調が違い、強気な感じがありました。

 浦島が、部屋の前で話を聞いていると、ちょうど乙姫様が出てこられました。

「あら、浦島様、帰っていらっしゃったの。もしかして今の会話を聞いていらっしゃいました」

「今の……、何のお話でしょうか」

「あら、分からないならよいのです。それで、山の者を退治することはできたのでしょうか」

 乙姫様は少し不安げな表情で尋ねました。浦島には、どうもこの顔がでたらめのものだとは思えませんでした。しかしながら、先ほどの声の主は、どう考えても乙姫様であり、その部屋から乙姫様が出てきたのだから、さきほどの会話は、乙姫様が発していたとしか考えられないのです。

「いえ、今回は、乙姫様にお暇をいただきに参ったのです。山賊退治は、成し遂げることができませんでした」

「そうでしたか、それはとても残念ですね。あなた様が退治してくださるとおっしゃっていただいたときには、とてもうれしかったのですが、仕方のないことですものね。あ、そうだ、浦島様に玉手箱をお渡しします。少し待っていてくださいね」

 そういうと乙姫様は自ら玉手箱を取りに行きました。

「これです、この玉手箱。これを浦島様にお渡しします。ですが、絶対にこの玉手箱を開けてはなりませんよ」

 浦島は、その会話を最後に、竜宮を後にしました。


 浦島が、竜宮から小屋に戻ってくると、少年はもはや青年になっていました。浦島は、あまりの成長ぶりに驚かされました。桃太郎は、どうやら明日、鬼退治に出発するようでした。浦島は、どうしてもその鬼退治に自分も参加させてくれと頼みました。桃太郎は、最初かなり渋っていましたが、お父様やお母様の説得もあって、一緒に行くことになりました。

 次の日、浦島は、乙姫様からもらった玉手箱を小屋に置いて、棍棒をもち、桃太郎は、日本刀を携えて、鬼ヶ島へ向かいました。

 鬼ヶ島に着き船を降りると、桃太郎は、勢いよく鬼ヶ島にある洞窟に向かって走っていきました。浦島は、桃太郎がいきなり走り出すので、慌てて走ってその後に続きます。浦島が、洞窟の入り口にたどり着いた時にはすでに桃太郎が見張りの鬼たちをなぎ倒しおわったところであり、そのまま洞窟へ入っていきました。洞窟は細い通路を伝っていくと広らけたところにつながっているようで、そこで鬼たちは、明かりをつけてちょうど宴会をしているようでした。桃太郎が息を殺して機会をうかがっているところに、浦島がなんとか追いつきます。浦島が息を上げていると、桃太郎が口を塞いできました。浦島はとても苦しくなりました。

 浦島が、もう無理だと思ったところで、桃太郎は、その開けた空間へ飛び出していきました。そこにいた鬼たちは驚いて飛び上がり、近くにあったものをつかんで応戦しています。浦島は、大変なところに来たと足がすくんでしまい、動けません。その間にも桃太郎は、華麗な刀さばきで鬼たちをばったばったとなぎ倒していきます。中には逃げて行く鬼もいました。しかし、その鬼が背を向けている間に、桃太郎は追いついて後ろから切り捨てていきます。

 その場にいた鬼を全て倒し、桃太郎が一息ついて刀を鞘に納めたときでした。桃太郎の後ろから鬼が猛烈な勢いて飛んで桃太郎に飛びかかりました。そのとき、浦島の脚がとっさに動きました。そして飛びかかろうとする鬼に対して棍棒で横から思いっきり振って腹に打撃を食らわせました。その打撃がちょうどみぞおちに入った鬼はその場で失神し、倒れこみました。桃太郎は、それに気づくとすかさず止めを刺しました。

「お前、なかなかやるな」

 浦島は、突然桃太郎から褒められて、うれしいやら恥ずかしいやら、複雑な気持ちで握りこぶしを上げると、二人は、こぶしを突き合わせて。勝利を祝福しました。

 鬼退治が終わり、その後、竜宮についても、乙姫を捉えてこのまま壊滅させようという話になりました。浦島と桃太郎が、カメに乗って竜宮へ行くと、竜宮の中は全員が大慌てで行ったり来たりしています。浦島が従業員の一人にそのわけを尋ねると、

「浦島様、ついに鬼がやられたらしいですよ。さきほど警報がなりました。早く逃げた方がいいですよ」

 と教えてくれました。

 浦島と桃太郎は、そのまま乙姫の下へと向かいました。すると乙姫も逃げる仕度をしているところでした。浦島が乙姫の部屋に入ると、乙姫は浦島の姿に気づいて、顔が、そこに光が広がるかのように輝きました。

「浦島様、戻ってきてくださったのですね。ああ、なんて幸せな日なのでしょう。ただ、戻ってこられてこんな状態で申し訳ないのですが、ここをもう引き払わなくてはならないことになりました。浦島さんもご一緒に……。あら、そちらの方はどなたですか。それに、浦島様は、どうしてそんな怖いお顔をなさるのですか」

 浦島は、乙姫の言葉を無視してこう言いました。

「乙姫様、私は、あなたがどのようなことをやってきたのかを知りました。そんなあなたを見逃すことはできません」

「そう、お気づきになられたのですね」

「乙姫様、どうしてこんなことをなさるのです。鬼と取引をして人々から財宝を献上させようだなんて」

「浦島様、何か勘違いされているようですが、私たちは人々から強制的に財宝を献上させているわけではないのですよ。彼らが任意に私どもに財宝をくださるのです」

「しかし、鬼がただで人々を襲うのを止めるはずがないでしょう」

 乙姫は、少し黙って浦島を見つめていました。そして、浦島を納得させることはできないと思ったのか、諦めたように話しました。

「そこまで言うのでしたら、本当のことを言って差し上げますわ。ええ、私たちは人々に財宝を持ってこさせるように言っているのです。きちんと年貢は収めさせます。しかし、なぜこれがいけないことですの。鬼と取引をしてみなさまを襲わないようにすることが。私はみなさんを守るためにやってきましたの。鬼という凶悪の被害に遭わないように私たちが危険と隣り合わせになって仲介をしておりましたのに。お父様からもみんなのためなのだとうかがって、それでずっとこうして取引を続けてまいりましたのに……」

 乙姫は、この世の終わりのようなひどく悲しそうな顔をしておりました。浦島はそれを拝見し、乙姫様は乙姫様だったのだと思いました。裏表などなかったのです。

「お言葉ですが、乙姫様、鬼と取引をして人々から財宝を取り立て、それを鬼に渡しているようでは、結局同じなのです。物事の機序が変わっただけで、結局鬼の脅威によって人々が財宝を盗られていることには変わりがないのです」

「そんなこと……」

 乙姫は、その場で泣き崩れなさいました。そして、そのまま桃太郎に捉えられ、海の中で幽閉されてしまいました。



 浦島と桃太郎は、カメの背に乗って浜辺まで戻りました。カメとはそこで別れを告げることになりました。なんでもカメは乙姫にずっとついていくとのことでした。

 浦島と桃太郎が小屋に戻ると、桃太郎のお父様とお母様が、大泣きで出迎えてくれました。二人ともずっと桃太郎が無事に帰ってきてよかったとおいおい泣いております。二人は、かなり老けておりました。桃太郎は、その変わりように驚いたのですが、お母様が言うには、桃太郎が鬼退治に出かけてから、もう15年も経ったとのことで、桃太郎もまた兄様たちと同じように鬼退治に失敗してそのまま死んだものと思っていたようです。桃太郎は、そんな二人のうれし泣きをしている二人を見て、優しく微笑みながら二人を抱きしめて、ただいまと言いました。

 そんな三人の様子をうらやましく眺めながら、浦島は、乙姫様からもらった玉手箱を発見しました。浦島は、乙姫様から言われていた、絶対に開けてはいけないとの言いつけを忘れてその玉手箱を開けてしまいました。すると、中からもわっとけむりが出てきたかと思うと、その煙が晴れたときには、浦島は、ひどくよぼよぼのおじいさんになっていました。近くで抱き合って泣いていた三人も目を丸くして浦島を見ています。浦島自身は、自分がどうなったのか分からりませんが、自分の手や足がよぼよぼになっているのが分かり、顔も、手で触ってみると、しわだらけになっていて、頭もはげており、目も遠くなっていることに気づいて事態を理解し始めました。

 浦島は、ひどく落ち込みました。それを見た桃太郎のお父様とお母様は、顔を見合わせてほほ笑みました。そして、お母様はこう言いました。

「もうすぐ桃が流れてくる時期ですよ。鬼も退治されて、わしらももう若返る必要もなくなりました。次に桃が流れてきたら、その桃をお前さんが二つとも食べるとよいですよ。そうしたらずっと若返ることができます。それでうちの桃太郎と仲良く暮らしたらええよ」


 桃太郎のお父様とお母様の言う通り、鬼退治から戻ってから2年後に桃が二つ流れてきました。その桃を浦島が二つとも食べると、浦島は、桃太郎と同じくらいにまで若返りました。その数年後、先に桃太郎のお母様が、その後を追うようにして桃太郎のお父様がなくなりました。その後、桃太郎は、実は女の子であることが発覚しました。そして、2人はいつまでも幸せに暮らしました。

(おわり)

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