コミックマーケット(通称コミケ)に行った思い出
ペペロン太郎
【#C97】人生で初めてコミケに参戦した:前編
コミックマーケット。通称:コミケ。
カクヨムを読んでいるようなディープなライトノベルファンなら誰もが知っているだろうオタク界隈最大級のイベントだ。
分からない人のためにざっくりと説明すると、コミケとは年2回行われる大規模な同人誌即売会イベントのことだ
そこには人気ラノベのイラストを手がけるような有名イラストレーターから、アニメ化もしたことのある人気漫画家、小説家までありとあらゆるクリエイターたちが自分の作品を持ちより、直接出品すると言うイベントになっている。
また同人誌の販売の他にもコスプレイベントも行われており、作品のキャラクターの服装を着てその作品のキャラクターになりきっているコスプレイヤーさんもたくさん参戦している。
作家と一緒に同人誌を売っていることもあれば、会場に作られた「コスプレエリア」なるスペースで参加者と写真撮影していることもある。
なお僕はオタク歴こそ長いが、コミケに関してはそこまで詳しくはない。
なんて言ったって、この第97回コミックマーケットが僕にとっての初めてのコミケ参加なのだから。
ーーー
「ぐっすり眠っていたな…」
コミケ当日、僕は4時に目が覚めてしまった。
目覚ましはつけていない。昨日9時ごろに寝たためか自然と早い時間に目が覚めた。
意外とすんなりと目が覚めたが、まだ体は本調子ではない。
昨日新幹線で東京入りしたため、その疲れがまだ抜け切れていないようだ。
なので目が覚めたがいいが、身体はもうちょっと休みたいと言っている。
そんな気持ちを振り払い、顔を洗いに洗面所に向かう。
「今日は初めてのコミケか…」
期待が半分、何が起こるか分からない恐怖が半分といった気持ちである。
とは言っても、実際に会場について「コミケ」という雰囲気を体験しなければ何も語ることはできない。
気持ちを切り替えて、普段着に着替えて荷物を確認する。
よし、忘れ物はないようだ!
僕は恐怖の気持ちを振り払い、コミケの会場【東京ビックサイト】へ出発することにした。
ーーー
僕は愛知県という限界集落からやってきたため、東京という土地にはなれていない。
愛知県は最近だと『五等分の花嫁』の舞台になったとして注目を浴びているが、あそこには田んぼと工場とご当地グルメ台湾まぜそば以外の物は何もなく、まさしく田舎という感じの場所だ。
もしこの小説を読んでいる人の中に、愛知県や名古屋市が栄ていると思っており、夢と希望を持っている人がいるのであれば、その希望を捨てた方が良い。
愛知県なんかに住むのであれば、大阪や東京に住んだ方がよっぽど良い!
話は逸れてしまったがここで話を戻していく。僕は東京の【渋谷】とか【池袋】とかの土地の名前は知っているが、そこにどんな施設があるのか、また他の土地とどのくらい離れているのか全く理解していないのだ。
愛知県民以外の人に名古屋と豊田はどのぐらい離れているのか聞いたってわかるわけがない。
そんな僕がホテルを取るとどうなるのか。
今回のメインの場所である【ビッグサイト】とかなり離れた場所にある【新宿】にホテルをとってしまった。その影響もあり電車で50分もかけて移動することになってしまったのだ。
「だる…」と、駅に向かいながらスマホで【ビッグサイト】の経路を調べているときに呟いてしまった。
文句を言ったって仕方がない。僕はコミケという戦場に向かうしかないのだ。
ーーー
人がゴミのようだった。
【ビッグサイト】の最寄駅である【国際展示場駅】についてまず思ったことがこれだ。別にムスカ様をリスペクトしているわけではない。
駅に降りると大量の人間に溢れていて、このような台詞を言わざるをえないような気持ちになってくる。
人がいるだけなら良いが、そのせいで身動きがとれないのだ。
どれだけ経っても列は動かず、ずっと立ちっぱなし。その上後ろの人たちはおしくらまんじゅうの如くグイグイ押してくる。
そんな状態で約5分。ようやく改札を抜けられた。
「電車から降りてから、改札抜けるまでこんなに時間がかかるのは初めてだ…」
この事実に驚きを隠せない。これがコミケという物なのか!
ーーー
ある程度覚悟していたが、電車から降りてからも列、列、列、列、列、列、列、列、列、列、列、列、そして列!と言った感じだった。
駅を出ても行列であり、ずっと待たされ続けられた。
その上、電車から降りている時よりも列が動かないのでとても煩わしく思った。
ちなみに現在の時刻は7時。コミケの会場が開くのは10時。単純に計算すると今から3時間も待たないといけないことになる。
もちろんその3時間の間は基本的に列は動かない。これからかなり時間が長く感じてしまうはずだ。
ーーー
この3時間の間にライトノベルを一冊読んでしまった。
『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』という作品であり、ラブコメでありながらギャンブル漫画やデスゲーム系の作品と同じぐらい濃密な頭脳戦も繰り広げられており非常に面白かった。
どうやらこの作品のイラストレーターさんが今回のコミケに参戦しているらしい。時間があればスペースをのぞいてみよう。
とか思っていると会場からなぜか拍手がわき起こる。
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
頭の中に「?」マークが出てしまい、しばらく何が起こったのか理解できなかった。
しばらくすると、コミケの会場が開場した合図の拍手だということに気がついた。僕も慌てて拍手をする。
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
「僕のコミケはこれからだ!」
という某少年誌の打ち切り漫画のセリフのようなことを呟く。僕のコミケはこれから始まるんだ!
【次回に続く】
ーーー
なお、開場してから実際に同人誌購入スペースに入るまで30分近く時間がたった模様。
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