エフゲニア・メドベージェワ×シューベルト詩

魔王がやってくる

夜の闇かきわけ

心を 奪いに


君は

奪われはしないだろうか

荒野に立つ1輪のばらよ


小川のせせらぎに

耳を澄ませて生きる

鱒が飛び跳ね 光る


身を守るのに4つのトゲ

魔王の娘が差し伸べた手を

突き刺して 叫んだ


楽興の歌を空に

即興の舞を地に

野ばらは摘まれない

野ばらは枯れない


菩提樹がしなり

冬が訪れても

未完の君は

聖母に抱かれ咲き誇る

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る