エレーナ・ラジオノワ×ケーキ詩

ア・ピース・オブ・ケイク

簡単なことだった

フォークで端から齧る

ストロベリーショートケーキ

何もかも簡単なことだった


いつしか そのフォークを

自分に刺して

ア・ピース・オブ・ケイク

ビターショコラの一口目

何も出来なかった


口いっぱいの微苦さを

舌いっぱいの酸っぱさを

噛んで噛んで噛みしめて

ひと思いに飲み込んだ


それは

ア・ピース・オブ・ケイク

簡単なことだった

ガトーショコラの生クリーム

この先はまだ苦いけど

飲んでしまえば甘いまま

その旨さを知っている

もう大人になっていた

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