SF。『パンタグリュエル』と呼ばれる自動機械と、レンズに刻まれた四行の文章のお話。
面白かったです。なんかもう、まさに読み応えの塊のような文章。文字を通じてもりもり迫ってくる内容が、そのまま脳の好奇心を感じる部分にどっこんどっこん突き刺さるような、ただただ『中身』の気持ちいい作品でした。
この物語があくまでも「〝パンタグリュエルの〟旅路」である以上、あまりおかしな感想風の何かを吹き散らかすのは恥ずかしいのですけれど。でも、この四行が一体どこから来て、そしてどこへ向かうのか。ついそんなことを考えてしまいました。
『あなたは知っているだろうか』が旅路の始まりなら、その問いはどこから生まれ歩いて来たのだろう?
想像の余地、あるいは、読み手が勝手に想いを馳せることのできる何か。そういうもののたっぷり詰まった、読んでいて本当に心地の良い物語でした。