最後の試練(2)

 ルークは、夢の城の中の大きな鏡を見ながらアリスたちに、夢の城の階段を上り、王の間に行き、そこで最後の試練を言い渡すと言った。但し、タイムマシンに乗っているアリス小説の中のアリスも同行することか試練を受ける条件だと言う。当然この条件を吞むしかない3人。

 すると、タイムマシンの中から姿を現すアリスお姉ちゃん。アリスたち3人は、なんの躊躇もなく、王の間の扉の前に向かった。

 階段を上がり、誰もいない通路を歩き、ルークの言った王の間に着くと、扉が勝手に開き、3人は中に入ると。10メートル先には、闇の女王が王の椅子に座っている。その隣には大きな鏡と、ルークが立っていた。


 その時、突然何を思ったのか、アリスは闇の女王に近づき、微動だにしない闇の女王。 アリスと闇の女王の距離、5メートル。アリスは、一歩前に出ると。

「あんたねー! やっていいこと悪いことがあるでしょう!? なんでよりによってシンデレラ城にするかなー!? 闇の女王なら闇の女王らしく、おどろおどろしい雰囲気とか、お城の外見も怖いイメージとか、いろいろな演出があるでしょう!? これじゃ、シンデレラ城に失礼じゃないの、腹立つことしないでよね……!」

 アリスは、プンプン怒って、ぶつぶつ独り言を言いながら、あの2人の元へ戻り。アリスの行動にラビーは。

「流石、お姉ちゃん。私もそれ、言いたかった」

「でしょう、でしょう。誰が見てもそう思うよね」

 アリスお姉ちゃんも納得している。

 すると、また何を思ったのか、アリスは闇の女王に近づき、微動だにしない闇の女王。 アリスと闇の女王の距離、5メートル。アリスは、一歩前に出ると。

「あんたねー! 夢の女王に名前を変えるって!? それ辞めてくれる? あなたにはふさわしい名前は、闇の女王。それと、あなたに夢とか語って欲しくない! わかった!? 腹立つなー……」

 アリスは、プンプン怒って、ぶつぶつ独り言を言いながら、あの2人の元へ戻り。アリスの行動にラビーは。

「流石、お姉ちゃん。私もそれ、言いたかった」

「でしょう、でしょう。誰でもそう思うよね」

 アリスお姉ちゃんも納得している。

 すると、突然闇の女王が椅子から立ち上がり。

「そこの小娘! 言いたいことはそれだけか!?」

 アリス、何を思ったのか、あっかんベーのポーズ。その光景に、闇の女王は怒りをあらわにし。

「なんのその態度は!? わらわをバカしたな。小娘、いますぐ石にしてやる!」

 アリスは、ひるまず。

「やれるものならやってみなさい! そんなことをしたら、あなたも私たちもみんな消えてなくなるのよ。それでもいいの?」

「消えてなくなる!? わらわがそんな脅しは通用しない!」

「脅し!? 言っとくけど、どの道そのノート、もうすぐ崩壊するわよ。崩壊したら、あなたも私たちもみんな消えてなくなるのよ。それでもいいの?」

 これでかなり動揺するはずだと、アリスとアリスお姉ちゃん思った。ところが、不敵な笑みを浮かべた、闇の女王は。

「小娘、ここが何処だか忘れたか!? お前たちの能力は全て封じている。試しにやってみるがいい」


 ラビーは、わずかな望みを持っていた。もしかしたら、あの時のように技が使えると。しかし、ラビーもアリスお姉ちゃんを技が使えない。

 その光景を見ていた闇の女王は、鼻高々と笑い。

「今までのことは想定内にすぎない。わらわに、まさかということはない。万が一など起こりはしない、端からないんだよ、小娘! 覚悟しな、石にしてやる」


 闇の女王は、魔法の呪文をとなえ魔法の杖を振りかざした。

 

 その時、アリスの前にルークがいる。右手を前に突き出し、魔法を跳ね返した。

 この光景に呆然と立ち尽くす闇の女王。

「……まさか……そんなバカことが、何故、お前がその技を使える……!?」

 闇の女王が一番恐れていた、まさかの出来事が起き。アリスたちの周りは、バリアが貼られた。

 すると、アリスはその光景に。

「やはり、あなたはルークさんじゃなかったのね。いったいあなたは誰なの?」

 闇の女王を背にして、ルークはアリスを見た。

「流石、アリス。あの小説の作者だけのことはある。大分成長したようだな」

「あたりまえじゃないの。あれから5年も経っているのよ。私は、もうあの時の私ではない」

「確かに、そのようだな。アリスの言う通り、私はルークではない。では、誰だと思う?」

「わかんない。教えて、あなたはいったい誰なの?」

「最後の試練を言い渡す。クリア条件は、あの小説を完結すること。アリス、お前にできるか?」

「出来ます!」

「言い返事だ。その答えに敬意を払う。私はいったい誰なのか。私は、あのノートの主だ」


 ルークは、指をパチンと鳴らすと、驚くべきことが起こった。闇の女王が肌身離さず持っていたノートがアリスの手に戻っている。 

 闇の女王は、呆然と立ち尽くしていたが、まさかが起こり、切り札がなくなり、慌てふためいている。

 ルークはアリスに、ノートの最後のページを見ろと言い。ノートに吸い込まれるように消えて行った。

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