私は知っている

黒豆

第1話

私は生まれた瞬間から地球が丸いことを知っていた。地球が丸いということを教えられる前から丸いという事実を知っていたのだ。

元々私の意識は宇宙にあったのだ。宇宙という中で私という概念だけが地球を見ていた。正しく言うならば光る丸いもののように見えた気がする。つまり私という命は宇宙のような所にあったのだ。

そう考えると、この世界に生きている私は何者なのだろうか?本当は死んでいるんじゃないか?そう思えた。実際そうなのかもしれない。我々はただの肉体という器の存在であって、命というものはもっと別の世界に存在しているのかもしれない。そう考えると、今現在生きている我々はただの器であって、本当に生きている存在とは言えないわけだ。この世界とは別の超越した別の世界が我々の命の居場所なのではないだろうか。そこに帰ることこそが、本当に生きることなのではないだろうか。そう思えた。しかしその事実確認を立証する術はない。ただの妄想ただの空想誰に言っても馬鹿にされるだろう。しかし私は確かに体験したのだ。光り輝く球体に導かれるようにこの世界にきたあの時のことを。


真実とは案外事実と反することが多い。

誰かが言った絵空事が実はこの世界の本質なのかもしれない。


馬鹿と天才は紙一重なのだから。

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私は知っている 黒豆 @96001202

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