1ー3★支払いはカードで!

『でもアタルさんは、あれで本当に良かったのですか?冒険者になるなら後日でも良かったと思いますけど。』


昼食を兼ねて入った食堂らしき場所でフェンが、おもむろに口を開いてきた。


『まー、確かに無理にあそこで決める必要はなかったと思う。でも、なるべくなら余裕のあるうちに都市にも慣れて生活の基盤を整えておきたいんだよ』

『ちなみになんですけど、商人の職業なら商会で50日前後働いていれば取得できると思いますよ。もちろん普通にお金稼ぎながらです』

『えっ??そうなの??でも50日か…やっぱり職業の取得って結構大変なんだね…』

『それにですけど、アタルさんのあのステータスは冒険者に向いているとはとても…』


職業登録所で冒険者を取得した時際の最終ステータスが以下のようになった。


☆☆

488000YUN

アタル・ナカノ(37) LVレベル1

種族    →人間

職業    →冒険者[1]

体力     8/8(+4/4)

精神     2/2(+3/3)

力      2 (+3)

防御     4 (+2)

速度     5 (+2)

魔力     0/0(+0/0)

属性     ×

職業スキル  座標認識スポット

ボーナススキル座標移動ムーブ

備考

☆☆


職業の横にある数字は熟練度でステータスの横にある(+)ステータスの補正値になると言われた。

熟練度は職業に関わることを行っていくと上昇していき、補正値の上昇や職業スキル、ボーナススキルの上昇や増加などにかかわってくるそうだ。

職業スキルとボーナススキルの内容と使用方法については、冒険者ギルドで詳しく教えてくれることになっている。


『やっぱり低いかな?』

『ちょっとお世辞にも高いとは言いづらいですね…ただどこのギルドでもやり方などは基礎から教えてくれるらしいですから、なんとかなるとは思いますが』

『それなら先ずはやってみてから向き不向きを考えるよ』

『分かりました。無理そうなときは早めに声をかけてくださいね』


(フェンにはギブアップするように見えているんだろうな…)


『そろそろお店を出ましょう。』


フェンはテーブルの側にあった番号の書かれている木札をとると入り口の方へ歩いていった。

その時、登録所で俺は持ち金を全て預けていることに気づいた。


(あれ…お会計ってどうするんだろう…)


入り口で店主らしき男にフェンが木札を見せると笑顔で男がやって来た。


『お会計ですね!お支払の方は?』

『カードでお願いします』

『はい、ではこちらの魔方陣でお願いします』


男はそういうと下から拳暗いの大きさの金属の塊を出してきた。

みると一回り小さい大きさで魔方陣が描かれている。

店主が木札をかざして何やら操作をすると魔方陣の下にある黒いスペースに880YUNと表示された。

フェンが注文をした料理の値段だ。

それを確認するとフェンは魔方陣に手をかざし店主が再び操作をする。


【チャリーン!】


『ありがとうございます。お次、お客様どうぞ』


店主は笑顔で対応していることから、フェンの支払いは済んだのだろう。

日本で似たようなやり取りを見たことがあるなと思いながら、俺はフェンと同じようにカードで支払いを行うことにした。

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