第68話直後から お約束編
~(前略)~
「なるほど」
王子は頷いた後横を向く。
「それでどうだった、マトゥバ君」
「今の最後の答えは嘘ですね。彼はその計算方法を元々知っていた。知っていた理由は残念ながらわかりません」
なんだと。
ちょっと待った。
何が起きたんだどうなるんだ。
「なお敵国の潜入員等危険な者でないのも確かです。今まで観察した結果害意は一切感じませんでした。身体分析でも典型的なこの地方の国民と出ています。更に彼の安心のためあえて言わせていただくと、父母及び交友関係にも問題ありません」
「ただ彼の知識は危険だ。以前も蒸気機関を使った船なんてものを発明して、軍に渡さず私物化している。魔法アンテナの件もあるしな」
状況はいまいち掴めないが何が起こったかはわかった。
俺は罠にはめられた訳だ。
「悪かったね。君達の周囲に明らかに色々な発見や発明が多く見られたからね。誰がその原因でその正体は何か、そして何が目的か調べる必要があるだろうという話になったんだよ。そんな訳で色々調べた結果、おそらくこの謎の中心人物はミタキ君だろうという事になってね。最終的に確認するため、この場を設けたって訳さ」
そうだとしたら俺はどうなるんだろう。
ひょっとしたらこのまま拉致監禁され記憶を全部抜かれて調べられるとか。
そういう魔法は聞いたことは無いが秘密裏にはあるのかもしれない。
『お前は知りすぎた』とか『君のような勘のいいガキは嫌いだよ』とかそんな台詞が思い浮かぶ。
ヤバいまずいもう悪い予感しかしない。
「そんな訳でミタキ君は保護させて貰うよ。君に罪は無いけれどね、これ以上此処で一般に禁断の知識を垂れ流して貰っては色々危ない。そう判断せざるを得ないからね、今までの事を考えると」
保護ってどういう意味だ!
そう尋ねる間もなく俺の意識はブラックアウトした。
これはきっと誰かの魔法……
~END~
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます