少し不思議なマザーグース

かきはらともえ

『少し不思議なマザーグース』

Introduction.




 生命の誕生。その起源は未だに多くの謎に包まれている。

 故に、数多くのが存在する。

 あらゆる分野で研究が常にされている。

 時代をさかのぼれば、神話という大系を用いて、人類はこの『生命の誕生』について説明しようとしている。

 そんなあらゆる仮説の中には、あまりにも荒唐無稽こうとうむけいなものもあれば、複雑怪奇なものもあり、驚くほど簡単に述べられているものもある。

 中には、とされるものもある。

 生命の起源が、母なる地球から生まれたわけではなく、遥か彼方より飛来したものであるとするならば、人類も元を辿れば宇宙人ということになるのではないだろうか。

 ひょっとすれば、地球は人類に対して『元は宇宙人の分際で』なんてふうに思っているのかもしれない。

 地球という無機物が『思う』なんていうのも、擬人化的な話ではあるが――無機物が、有機物のように思考しないというのも、あくまで人間による定義でしかない。


 いったい何をもって生きていると定義するのか。

 いったいどこまでを地球外生命体として捉えるのか。


 もしかしたら、日々地球に降り注いでいる隕石に生命体がいるかもしれない。

 もしかしたら、その隕石そのものが地球外生命体かもしれない。


 これはあくまでも、そういう考え方もあるというだけの話である。

 問題は、このような事態を内包している出来事が起きた場合に、人類は果たしてその可能性を認識することができるのかということである。

 つまり。

 宇宙人を宇宙人と理解できるのかということである。

 宇宙人は決して、人類に合わせて話をしてくれるわけではないのだから。





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