第4話、部屋
今回、残虐な描写があります
ホラー映画やスプラッター映画が苦手な方は次の最終回まで飛ばして下さい
モリ太郎
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「何がどうなっている!」
我が国王の思惑から始まった身勝手な侵略戦争は約2000人の軍が動物や魔物にも出逢わず予想より早く隣国の村々を襲い大きな街に手が届くという頃に連絡が途絶えた。
調べに行かせた
「侵攻軍は人も馬も鷲獅子も全滅です」
「そんな馬鹿げた報告があるか!将軍はどうした」
そして差し出されたのは1振りの剣と1つの鞄。
「確かに将軍の剣だな、鞄は何だ?
中身を出せ!」
ずるずるり
静寂の中、先ず鞄から出てきたのは髪の毛だった、そして顔、首、肩まで出てきた。
人間なのに布切れみたいだった。
「ひ、ひぃ」
頭蓋骨も、首の骨も、肩の骨も、肉も、歯も、残らず全部を取り出したから、この将軍はペラペラなのだろう。
そして将軍の夜闇のようなヌラヌラとした目から何かがこぼれ落ちた
「テケリッ」「テケリッ」「テケリッ」
白塗りの壁が、赤い毛の長い絨毯が、両開きの大きな扉が、飾られた絵が、天井から吊るされたシャンデリアが黒くテカテカと脈打つ。
「ひひぃ、ショ、ショゴス……」
剣よりも、魔法よりも、逃げるよりも速く
足元から、天井から、壁から、将軍から飛び掛かりボボリボリと骨と魂を砕きながら部屋の13人全員を包み込み
口から、目から、鼻から、耳から入り中身と魂を残らず貪り喰った。
「テケリッ」
その日、始まっていた隣国からの侵略戦争は唐突に終わった
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