メメン と モリ太郎
メメント・モリ太郎
第1話、狼
村の外れの薬師の婆さんが孫娘のメメンを残して亡くなってもう半年だ。
オレも猟師なので細かい傷や怪我で婆さんには世話になっていたのでメメンとは顔見知りなので様子を見にいくんだが、最近はようやく笑えるようになった。
何か良いことが有ったのかと聞くと森で変わった動物を拾っ飼ってモリ太郎と名付けて飼っているそうで見せてもらったが手さげのバスケットケースに布切れが敷いてあるだけだった。
子供のごっこ遊びで元気が出るなら安いもんだ。
「また来る、森の奥の狼が出てきてる。
戸締まりを忘れずにな」
「うん、オオカミはコワイよね、
そんなオオカミなんていなくなっちゃえばいいのに」
「オレが悪い狼を全部毛皮にしてやっつけてしまうさ、だから安心して早く寝るんだぞ」
「はあい、さよならおじさん」
狼の群れなら6匹位だろう、夕方までにもう少し罠を増やしておくか
「テケリッ」
どこかで聞きなれない鳥が鳴いた
その夜、バスケットから黒くヌラヌラとした何かが扉の隙間を抜け、泡をたて増殖しながら森の中に消えた
「テケリッ」
翌朝、メメンの家の前には傷1つ無い肉も骨も無い狼の毛皮が10枚置いてあった
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