第7話 当夜とルナの秘密

 夕食の後、当夜とルナの部屋に全員が集まった。食事の場では出来ない類の話をする為だ。当夜は自分が異世界からやって来た事を改めて伝えたのだが、驚かれてしまった。皆が驚いた事に当夜は困惑したのだ。

 何故ならば、先程キューブをアモネスに渡しており、当夜のキューブが金色なのを見られていたからだ。その為、当夜が異世界人である事を既に知っているものとして、今更と思いつつ話したのだったが、彼女達はキューブの色の意味を知らなかったのだ。


 但し、当夜の体の事は黙っていた。この事を今は言えないと判断したのは、己の致命的な弱点と、性的に不能なのを知られたくなかったからだ。当夜は臆病になっていた。彼女達に嫌われたくなかったのだ。不能な男に用は無く、知られると離れていってしまうだろうと、そうなるのが怖かったのだ。

 ただし、ルナの事は話しをした。処刑寸前だったルナを当夜が偶然召喚した事、ルナは精霊だが、召喚によりドールのギフトで作られた人間の体に受肉している。目下人間の魂に融合しつつあるのと、1日に1時間位魔力チャージを、それも接吻でするしかないので、泊まりの時はその光景を見る事になるはずだからとルナ自身が説明していた。


ルナ「これは私が生きる為の処置なので理解して欲しいのです。貴女達が当夜様に求愛なされる場合はそれを理解しての事になりますので、宜しくお願い致します。私に遠慮する事なく求愛をして下さいね」


 そう言うのだから3人は真っ赤だった。何故かレグナスもだ。当夜はお尻の穴をキュットして身構えたくなった!衆道の気はないぞと。


 アモネスとシャクラの当夜に対する扱いが汚物を扱うかのような扱いからようやく普通の扱いになり、レグナスだけは慕ってくれていた。尤も男に好かれてもそちらの趣味は無いので、兄貴と慕ってくれていると信じたいと思うのであった。違うのだが・・・・・そう違ったのだ。後に知るのだがレグナスのそれは当夜に対する恋愛感情だったのだ。


 異世界からの訪問者は滅多にいないが時折いると聞くレベルなので、普通は異世界人と自称しても頭の残念な者とされるが、キューブの色とルナがそう言うので彼女達は信じたのだ。


 パーティーの身の上は5人全員同じ村の出身者で、冒険者としてやっていける人数が揃ったから村を出た事にした。

 それと当夜の説明をした。何故この世界に来たのか一切不明で、気がついたら空から落下していて、恐らくギフトだと思うが、偶然条件を満たした為か、ルナを召喚し九死に一生を得た。しかし、着地した場所は盗賊が商体を襲っている真っ只中だった為に、訳の分からぬまま戦ったと。


 次にそれぞれ得意な戦闘スタイルや魔法等の話しをしていった。シャクラが水魔法と風魔法、アモネスが火魔法と闇魔法、レグナスが土魔法と剣術、ルナが剣術のみで、本来は風魔法が使える事、当夜が火と光魔法、剣術となり、前衛三人、後衛二人とまずまずと考え明日は初心者ダンジョンへ行き、皆の実戦を確認する事になった。


 初心者ダンジョンに関しては、同じダンジョンでは一回のみアタックをする事が可能で、普通は1日でクリア出来る為登録したての冒険者の殆どが腕試しに行くと言う。

 当夜は聞き漏らしていたが、ちゃんと聞いていたシャクラが講習の翌日にしか入れないと言い、了解して明日に備える事とした。

 風呂付きの部屋は満室の為アモネス達の分を借りられなかった。その為、当夜達の部屋で風呂に入ってから寝る事になった。


 ルナ、シャクラ、アモネスは一緒に入って、当夜がレグナスに一緒に入るかと誘うと一人で入ると言うので頷いたのだった。


 貨幣の種類を教えて貰った

 10鉄貨=1銅貨

 100銅貨=1銀貨

 10銀貨=1金貨

 100金貨=1大金貨

 100大金貨=1白金貨

 こんな感じだ。単位はゴールド=G

 1銅貨が10G

 風呂の無い安宿は銀貨3枚で、昼食なんかは銅貨50から1銀貨が多い

 鉄貨幣1枚がが1Gになる


 そして明日に備えて眠りに着いたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る