「Vanitas」

久しぶりに県立美術館へ行く

ハプスブルグ家の収蔵品展

ハプスブルグ家

貴族のなかの貴族

名門中の名門

ヨーロッパ中央部に広大な領地を持ち

神聖ローマ帝国の皇帝はすべてこの家門の出である

1918年の王朝崩壊まで世界に君臨し続けた

そんな名高い家門が収蔵していた美術品の数々を見に行った


テーマは「静物画の秘密」

書かれた年代は早いもので1400年代

最も遅いもので1600年代

いわゆるルネサンス 宗教改革真っただ中のものも

油彩という手法を使った表現

扱われている題材のほとんどに寓意が感じられる

そんな視点で見なければ なんの変哲もない美しい静物画

でも 私にはそう見えない

絵という名を借りた錬金術的・象徴的なものばかり

「ま」印的な風を随所に感じながら

CRC や Illuminati そしてOTO

これらを生み出したこの国に綿々と流れている何かを

その土台となるものを垣間見た気がする


普段は写真や書物の上でしか見たことのない錬金術的寓意を

こんなに間近で見る機会なんてそうそうあるわけがない

何とも言いがたいパワーを感じながら帰路についた


目の前にある現実は 実は虚像なのかもしれない

目の前に映る虚像は 実は現実なのかもしれない


carpe diem

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