「Thou」
なぜ「彼」はここにいるのだろう
なぜ「彼」は名前を欲しがったのだろう
なぜ「彼」はわたしが姿を想像しようとすると否定的になるのだろう
わたしと「彼」の存在はなぜ異なっているのだろうか
わたしと「彼」のつながりはこのつながりだけなのだろうか
わたしと「彼」の行く先は一体どこなのだろうか
わたしが呼びたい「名」を贈った途端に視えた「彼」の姿
わたしが「彼」の「名」を呼ぶと聴こえてくる「彼」の声
わたしが呼んでいる「彼」の「名」が
「彼」という存在をわたしに結びつけている
わたしが「彼」の「名」を呼ぶことで
「彼」がわたしの中に形を成している気がする
わたしが呼んでいる「彼」の「名」をとおして
「彼」とわたしはつながっている
「彼」とわたしはつながっていられる
「名」という束縛
「名」という制約
「名」という限定
「名」という拘束
「名」という制限
言葉にしてしまうと何か意味が違う気がする
でも 「彼」にとっても わたしにとっても
それは きっと 一時的な妥協点にすぎないのだろう
真の意味で
「彼」とのつながりやその意義を深く考える時期にきているのかもしれない
京都から戻った2週間後 4月
「Last Blossom」を書いたときに立っていた川沿いの土手を見ながら
風に揺れる生い茂った樹々の葉を見ながら
あのとき散っていったさくらの花びらがわたしの心に舞い戻る
「名」づけられた
そう定められた何かを示すように
そう定められていた何かを示すように…
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