「East and West」

いつもの夜の散歩

いつもの静けさ

真っ暗な中で北に向かって歩いていく

私 ひとりで北に向かって歩いていく

街灯はあるけれど自分の影を映すのが精一杯

雲がほとんどない

頭上には闇色の蒼天が広がっている

目を凝らすと星が瞬いているのが視える

よく視ないと星の瞬きが視えない

この時期 特有の空


ふと

地平線が見えるところで立ち止まる

立ち止まって 目を閉じる

自分の右手 つまり東に意識を向ける

そのあと

自分の左手 つまり西に意識を向ける


ああ 全然違う…

感じ方が全然違う

太陽が昇る方角と太陽が沈む方角

180度方向が違うだけなのにどうしてこうも違うのだろう

地球は丸いのに

方角は相対であるはずなのに

東と西

東…か

「ま」印では重要な意味を持つ方角


もう一度 空を見上げると

北天のおおぐま座が煌めいて視えた

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