「MANNAZ」
『人はどこから来て、どこへ行こうというのか』
そんな一節が聖書にあった
俺は自分がこの世界に『生』を受けた日を知らない
本当に望まれて生まれてきたのかも
何のために生まれてきたのかも
なぜ、こんな『眼』を持っているのかも
なぜ、こんな『力』を持っているのかも
・・・わからない
この疑問に対する答えを得ることはできなかった
わかっていること
それは
俺に関わる全ての人に絶え間なく
密かに
しかも確実に『死』が訪れるということだけ
俺の意思に関係なく
その人の意思に関係なく
偶然、必然に関係なく
まるでこの世の理であるように、『死』が訪れる
そうして
クラスメイトが死に
両親が死に
兄が死に・・・俺はひとりになった
ひとりになってもよかった
ひとりきりでもよかった
それでも
誰かを傷つけずにすむのならそれでいい
誰かが傷つかずにすむのならそれでいい
それで・・・
もし、この世界に本当に『神』がいるのなら聞き届けてほしい
もし、この命を引き換えにして願いがかなうのならかなえてほしい
俺は・・・
ただ、君を護りたい
君の存在そのものを
君の笑顔を
それ以上は何もいらない。
君が生きてさえいてくれれば、それでいい
もうこれ以上、だれも死なせたくない
もうこれ以上、人が逝くところは見たくない
君だけは
君だけは・・・護りたい
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